第44話
聞いたら教えてくれるけど、
「何?俺様にぞっこんLOVEだな」なんてまたわけの分からないことをほざきやがるから、
あまり深く突っ込んでは聞かないことにした。
でも―――
住んでるところは高級マンションだし、着てるスーツも上品で仕立てがいい。
経営はうまくいってるんだな。
そう思うしかなかった。
それから一ヶ月経った、そんなある日のことだった―――
休憩時間に食堂でコーヒーを飲んでいると、偶然近くに居合わせた比奈の同期である塩田さんに声を掛けられた。
「え?金曜日に食事…?」
目を開いて聞き返すと、
「うん♪今週の。どうかなぁ」
と塩田さんは甘えるような口調で上目遣いで聞いていた。
「それは…みんなで飲み会ってこと?」聞いてみると、
「ううん。二人で……」
そう言って塩田さんは恥ずかしそうに目を伏せる。
これはもしやデートのお誘い??
いやいや、だって塩田さんて比奈と仲良かったんだぜ?
いくら別れたからって、比奈の友達と仲良くするのはどうなのか……と。
ちょっと考え込むと、塩田さんは恥ずかしそうに俺に顔を寄せて、そっと耳打ちしてきた。
「あたし本当はずっと前から主任のことが好きだったの。
でも主任は比奈の彼氏だし一旦は諦めたけど、でも別れたって聞いてこれはチャンスかな、って思って」
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