第23話


きっとアルコールのせいだ。



そうに違いない。



こいつの前だとやたらとピッチが早くなる。



やたらと饒舌になって、普段なら喋らないこともぺらぺらと喋っちまうし、怒ったり笑ったり随分素直になれる気がした。



不思議な感覚に新しい発見を見出しつつも―――愛しの比奈にも抱いたことのない感情に




俺自身どうしていいのか戸惑った。





―――――



――



「……ってー」



割れるような頭痛を覚えて目を覚ますと、またもあの白い天井が目に飛び込んできた。



デジャヴ??



昨日も確かこんな―――……



俺はばっと目を開けた。



俺……またやっちまった?



恐る恐る布団をめくって、ほぉっと安堵のため息を付く。



良かった。今日は服を着ている。



上着はなかったものの、昨日のスーツのままだ。



だけど……



『おはよう。よく眠れたかい??』



と、隣から声が聞こえて恐る恐る俺が顔を振り向かせると、にゅっと茶色いふわふわしたものが視界に飛び込んできた。



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