第31話 もうスッケスケよ!

「ここが、今日お泊りいただく部屋です」


「また広いお部屋!」


部屋を彩る装飾品はどれも高そうなものだ、なにより驚いたものは、天蓋付きのベットがあることだ。これ本当に実在するんだな。


先ほど、夕飯に誘われて、イザベラさん一家の夕食にお邪魔したが、それもたいそうなものだった。見ただけで高いとわかる料理の数々、これを毎日食べていたらそこらへんのファストフードでは満足できなくなるのではないだろうか。


それだけではない、風呂も僕の家とは比べ物にはならなかった。この前、我が家の風呂自慢をしたばかりであるが、イザベラさんの家の風呂に比べたら我が家の風呂など…比べるのもおこがましい。すごいよ本当に、風呂から中庭が見れるんだ。しかも中庭も中庭ってレベルの大きさではない。あれは中庭を超えて大庭である。


さて、さっそくだが、天蓋付きのベットで寝させてもらおう。

金持ちのベット、こちらもきっと半端ではないのだろう。


あ、そうだ。ノーシャに連絡し忘れていた。まあどうせパンツとかかぶっているのだろうが、一応メールで連絡しておこう。





“今日は帰りません。”





これでよしと、いやしかし思った通り半端ではないベットだなぁ。


ふわふわではあるけれども、ちゃんと反発もあり、腰が痛くなる心配はない

あまりに柔らかいと体の節々を痛めるかもしれないからね。その点このベットは完璧である。


さて寝ようか、眠くなってきたし。

そう思ったところで、部屋の扉がノックされた。


「はぁい、誰ですか?」


「イザベラです、入ってもよろしいでしょうか?」


「イザベラさん?どうぞ」


イザベラはネグリジェを着ていた。

可愛さと上品さを兼ねそろえた素晴らしい一品、それでいて高そうだけど成金感はない清潔感、うーんエッチ!


「では失礼しますわ」


と言って布団に中にまで入ってきた。


いやおかしいでしょ。入ってもよろしいですかって布団の中にってこと?

ナチュラル?ナチュラルなの?


「今回の件は大変お世話になりましたわ」


「い、いやいや、僕はただイザベラさんの事情に首をつ込んだだけだし、お礼とかはいらないよ」


少々面喰ってしまって反応が遅れてしまった。


「それでも、私は救われた気分です。庇っていただいた時は、本当に嬉しくて…」


「まぁイザベラさんの助けになれたら何よりだよ」


「そこ!そこですわ!」


「どこ!?」


「どうしてそんなに他人行儀ですの?“イザベラさん”だなんて!確かに、まだあって間もないですけれど、もうだいぶ仲良くなったではありませんか!」


「ええ?じゃあなんて呼べばいいのさ」


「ベラとお呼びください。お姉様にはそう呼ばれていますわ!」


「わかったよ、ベラさん」


「“さん”もいりませんわ!」


「わかったよ、ベラ」


あんまこんなこと言う雰囲気ではないけど、魚みたいだね!


「話は終わりかい?」


「はい!スッキリしましたわ!」


「じゃあもう僕は寝るから、君も自分の部屋におかえり」


正直、イザベラさんの襲撃によって眠気は吹き飛んでいる、一緒の布団に入っているため、顔も近ければ、体も近い。とってもいい匂いがするし、女子特有のあの体の柔らかさを全身に感じている。女子ってなんでこんなに柔らかいんだ。

男子も見習え(?)


「ほら、もう夜も遅いから」


「いやですわ!」


「ええ?」


「お母様から頂いたチャンス!今日!ここで!今夜!決めますわ!いえ、一発、キめますわ!」


ベラは布団をがばっと剥ぎ取ると、僕の上に覆いかぶさってきた。


「まてぃ!まだ早いんじゃないかな!?」


「なにも早くありませんわ!正直言おうか迷っていたのですけれど、いい機会だから言っておきますわ!」


ベラは抵抗しようとしている僕の手足を抑えている。

ってちょっと!目ぇぐるぐるしてますけど!無理しないほうがいいよ!


「あなたは!無防備すぎますわ!いっつもいっつも!誘ってますの!?ブチ犯しますわよ!」


「ファ!?」


お嬢様がそんなこと言っちゃダメでしょ!


「しかも、あんなふうに庇われたら!私のことが好きなのかって勘違いしてしまいますわ!いえ、好きなんですわよね!私のこと!そうでなければ私のために命がかかった決闘なんてしませんわよね!私たち!両想いですわね!」


「まずいですよ!」


本当にまずい、これは私のこだわりでしかないが、こんなシチュエーションはいやだ。もっと色気のある感じがいい!


なんとかして、落ち着かせなければ…


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