ブックタワーを攻略せよ!
鋼音 鉄@高校生
第1話 ブック!ブック!デンジャラス!
世界の各地には人類を追い詰めようとする要素が何点かある。
一つ目は物理的影響を世界に出す地震や津波、台風などの災害。
二つ目は怨みの
三つ目は世界の歴史や概念の情報、理が詰められている神秘の塔、『
そして、その三つの中でも一番に人間に影響を与えているのが『神々の本棚』である。良い意味でも、悪い意味でも。
行方不明者、廃人、殺害…などなど。三つのうち、一番被害を出している。
それと共に、人間に武器を与えたのも『神々の本棚』である。
通常とは異なる武器。『
その力を使って人間の為に戦う者が一人。
名をアルフォス・ネイト・ブラック。デンジャラスブックを持ち得る一人の適応者である。
これは、物語だ。時に苦しみ、時に嘆き、時に女を愛し、時に英雄となる。そんな物語である。
***
「あぁ、どうしよ。迷子になっちゃった。やっぱり草原って広いんだよなあ。モンスターも結構出るし。ブックタワーの一階層より厄介度マシマシだよ」
モンスターに囲われたアルフォスは、草原に対しての愚痴を吐きつつ、デンジャラスブックを手元に用意する。
本来、この程度のモンスターにデンジャラスブックは使う必要性はない。
強化や能力を使用せずとも、ただの殴りや蹴りで解決してしまう程度の敵だ。
ならば、どうしてか。その答えは、溜まりに溜まった鬱憤の解消である。
ろくに調べもせずに草原へと来た己の責任だと理解しているが、それと迷ってしまった事への苛立ちは別だ。
ゆえに、その怒りを台として、デンジャラスブックの牙を振るう。
『ブック!ブック!デンジャラスブック!恐怖、危機、危険。闇の三大エリア!』
「
黒髪は紫のメッシュが混じり、肌には白色の線が刻まれる。生じた変化には大量の神秘が込められているからか、モンスター達は慄き、恐怖する。
己らが保有している力よりも、更に上の…悍ましいまでの力と相対する現実に怯んでしまっている。
そんな彼らの思考に形成されている考えは一つ。どのような行動に出たらこの者から逃げれるのだろうか、というもの。
しかし、遅い。その思考へと至るのが遅過ぎた。目の前の者を敵わない相手だと認識し、逃げに徹するのが遅過ぎたのだ。
あぁ、なんと愚かしきか。すでにアルフォスの八つ当たりに巻き込まれていると言うのに。
「久しぶりにこの形態になったな。いつも素で片付いているから、懐かしいものを見たなような感覚だよ。…あぁ、ごめんね。君たちを放置していた。存分に八つ当たりしてあげるよ。デンジャラスの怒り、体験すると良い」
アルフォスは無防備の状態を貫く。拳も握らず、棒立ち状態でモンスター達を見る。
普段なら餌と認識しても良い状態。しかし、モンスターはそう認識しない。そう認識できないのだ。
神秘の力が、手を出させない圧へと変貌をしているから。
その予想は間違っていない。動けば殺される。まあ、動けなくても殺されるのだが。
「まずは虎にするか」
後ろで控えていたモンスターへと牙を振るう。紫黒色のオーラを両方の拳にまとい、連続パンチをお見舞いする。
瞬間的に腹部に対して三発を打ち込むが、それで終わりではない。
一度離れてから、アルフォスはデンジャラスブックとは違うブックを取り出す。
『ブック!ブック!コンボブック!連続、連鎖、連発。フルフルコンボ!』
「更にもう一つ行こうか」
『ブック!ブック!ビッグブック!巨大、巨烈、超必殺。ビッグストライク!』
「連続+一撃。はっは、これは強いよ」
『ブック!ブック!フュージョンブック!合わせ技、フルフルストライク!ビッグコンボ!』
コンボブックが開かれれば、あたりの空間に水の波紋のような壁が現れる。
それをアルフォスは近い場所から蹴り上げ、右足と左足にエネルギーを徐々に溜めていく。
そして、エネルギーの溜めはそれで終わらない。蹴りを叩き込むたびに、必殺技のゲージが上がっていくのだ。
格ゲーで言う、ゲージ技である。
『ブック!ブック!スーパーブック!』
二つのブックが光り輝き、空に大きな水の波紋が生まれる。それに向けて、アルフォスは地面を蹴り上げる。
水の波紋に衝突しそうになった時、位置を反転させ、蹴り上げる。
それでエネルギーは完全に溜まり、両足は青色に光が周囲を照らす。
「一体目。さっさと次行こう」
『ブック!ブック!デンジャラスブック!起動、乗車、爆走。空を走る雪の大三角!』
「
ブックタワーを攻略せよ! 鋼音 鉄@高校生 @HAGANENOKOKORONINARITAI
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