第120話 ルナ デート? ガンシューティング

「ルナちゃんにはこれなんか似合うんじゃないかなー赤のチェックのミニスカート!」


「えー、妾にこんな可愛い服似合うかなー、ショウ君は本当に足が好きなのじゃー、こんなに短いスカート履いたら見えてしまうのじゃー」


「僕しか見ないから大丈夫だって、はっはっは」


「それもそうなのじゃ、じゃあこれにするかのー。はっはっは」


「ねぇルナちゃん、今どんな気持ち?」


「そうじゃのう…恥ずかしさと馬鹿ばかしい気持ちでいっぱいじゃよ…」


「奇遇だな…僕もだよ…」


ルナが賭けの賞品として獲得した僕を一日自由にできる権利。

ルナはその権利を使い一日僕とデートをすると言い出したのだ。


何事かと思ったが人間のデートというものをしてみたかったらしい。


ルナは「ショウがエスコートして妾を楽しませるのじゃ!」と僕にデートプランを丸投げし、とりあえず服を選ぶのが基本だ!と今に至るわけだ。


「ちなみにお主の世界でのデートは何をするんじゃ?本当にこんな茶番から始まるのか?」

なんで童貞の僕にそんな酷い事聞くの?


「うーん…多分みんなそうしてるよ」


「絶対ウソじゃろ…ちなみにどんな事をするんじゃ?お主の世界のカップルは」


「そうだなぁ…。石で出来た犬の前で待ち合わせしてダラダラ街を歩くじゃん?それで宿屋に行って交尾するんだよ」


「それはもう最初から宿屋に行って交尾すれば良いじゃろ…」


だって知らないよ、デートなんてした事ないもん。

洋服選ぶのだって頑張って考えたんだぞ!ショウ君のデートプランを馬鹿にするな!


「お主もしかしてこの後…その…わ、妾と交尾する気じゃったのかの…?」


「いや流石にそれは飛躍しすぎだよ。僕は段階を踏むって言いながら永遠に何の段階なのか分からない男だからね。」


「そ、そうか…。まあ良いのじゃ!服はこれにするかのう。それで、この可愛い服を着た可愛い妾と次はどこへ行くのじゃ?」


結局僕の選んだブラウス着てミニスカート履いてくれるんだ。やったぜ!あとでフィギュア化も検討だ!

「任せなよ!完璧なデートプランをさっき考えたんだ!」


「まさか石で出来た犬の前で待ち合わせをしようとか言うんじゃないじゃろな…不安じゃ…」

そんな事するわけないだろ、石の犬なんかあっても邪魔でしょうがないよ。


まずはゲームコーナーだ!新しいゲームを入れたんだよ!

今回はガンシューティングゲームをアクティベートしてみたんだ。

アップデートもしてみたらゲームコーナーに扉ができていた。


「まずはこの部屋で遊ぶんだよ、ついて来な!」


「なんじゃその鬱陶しいキャラは…ここは何の部屋じゃ?」

中に入ると廃墟が広がっており、入り口には操作パネルとオモチャの銃が置いてある。

ゴーカートと一緒か?ステージも色々選べるみたい。


「あのサバイバルゲームとかいうゲームと似ておるのう、何をするんじゃここは」


「きっと敵が出てくるから中に入って銃で撃つんだよ、僕オバケは怖いけどアンデッドには強気だから怖い敵出てきたら守ってあげるよ」


「ほう、面白そうじゃ、早速遊ぶぞ!」

操作パネルで初級、ステージは廃墟に設定。

リロード時間の設定もあるのか。まあ普通で。


中に入ると早速ゾンビがノロノロと歩いてくる。


「なんじゃアンデッドか、数が多いのう…どれ、終焉魔法…」


「待ちたまえ。銃で打つんだよ、しかも魔法は撃てないからここ」


「冗談じゃよ、さて、妾の実力みせてやるぞ」


……………数分後。


「おいなんじゃこれ撃てなくなる時間があるぞ!!もう囲まれておる!!」


「弾を詰める時間があるんだよ、適当にバンバンやってたらすぐに弾切れになっちゃうよ?スマートに頭に一撃、これがこのゲームをクリアするコツだよ。」


ルナは弾切れの概念を知らない、かかってくるのじゃ!とそこら辺に適当に撃つもんだからすぐにリロードになってしまう。


「まあ僕も同じなんだけどね!」

数分でライフを使い切りゲームオーバーになってしまった…だって思ったより怖いんだもんこれ。


「何がスマートにじゃ…ぎゃぎゃぎゃとか喚きおって」


「ギャースって言わないだけマシだろ?たまにお化けチックな敵がいるんだよ。次はしっかりチームプレイしてクリアしようぜ」


「そうじゃな、これは一人では難しいのじゃ」

今回は背中合わせになり、お互いをフォローしつつ敵を倒す作戦だ。きっと上手くいくさ。


「なるほどのう、頭に一撃か、これは爽快じゃ」

ルナはなんでも出来るなぁ…コツを掴んだらヘッドショットを連発しどんどん敵を倒していく。


僕も負けじと頑張るが中々頭に当たらないもんだなぁ…


「あれはなんじゃ?銃が落ちておる」


「新しいアイテムかな?拾いにいってみたら?」

ルナは敵の頭を撃ち抜きながらスタスタとアイテムを拾って帰って来た。


「おかえり、なにそのバズーカみたいなの」


「まあ撃ってみればわかるじゃろ」

そう言ったルナの銃から飛び出したのは真っ赤な炎だった。


「おおお!爽快じゃ!見ろショウ!敵が燃えておる!」

世紀末だな。それは世紀末の光景だよ。なにかこう…汚いものは消毒しなくちゃ的な。


「火炎放射器か、当たりじゃないか?ちょっとこっちも頼むよ」


「任せるのじゃー」

敵はどんどん燃え尽き、中ボスらしき敵が…


「ぎゃーす!!」


「おいお主!抱きつくでない!上手く狙えん!」

出て来たのはピエロのゾンビ。僕はピエロのあの感じが苦手なんだ!怖くない?あの感じ。


「もうすぐそこじゃ!!見なくて良いから適当に撃て!」


僕は後ろに向かって銃を乱射、なにやら急所に命中したらしくピエロはいつの間にか消えていた。


「な?言ったろ?スマートに頭。これがこのゲームのコツだよ」


「なにが、な?じゃ、とりあえず顔が近すぎて恥ずかしいから離れるのじゃ…。お?景色が変わっていくようじゃぞ?」


「ルナって綺麗な肌してるんだな。ナイス!」


「ば…バカ言っておらんで離れろ。次の敵はアイツらのようじゃが…」


僕が辺りを見渡すと幽霊屋敷ステージ、敵はゴースト…僕はルナに抱きつき続け、身動きが出来ない僕達はゴーストの餌食になったのだ。


「おいお主…何か言う事があるじゃろ…」


「ルナ、その服似合ってるね。抱き心地も最高だったよ」


「な…ま、まあ良かろう。次も同じステージでリベンジじゃ」


「ダメだよ、それはダメ。ルナが動けないんじゃクリアなんて出来ないよ」


「誰のせいで動けないと思っておるのじゃ…そ、その…手を繋いでやれば…よかろう?」


「いや、幽霊屋敷は本当に無理だから明るいステージにした方が良いよ。危ないから手は繋ぐけど」


「まぁ良かろう…せめて一回くらいクリアしたいものじゃ」

そう言って始まった海岸ステージ。

僕達は手を繋ぎながら敵の魚人を倒し続け、ボスのクラーケンを見事に倒したのだった。


「余裕だったね。あんなイカ畜生には負けないよ」


「お主ゴースト以外には妙に強気じゃな…そして次はどうするのじゃ?」

まあ任せておくれよ。僕のデートプランはまだまだこんなもんじゃないぜ。


「次は甘いものを食べます!ルナちゃん!付いてきて下さい!」


「まだ続いておったのかそのちゃん呼び…まあ良いがの…期待しておるぞ。」

僕達は手を繋いで目的地に向かう。あらまあ、これデートっぽいわ。きっとそうに違いない。


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