第118話 ビーストアウト ルナ ゴウケツ
「ショウさん!大変っす!緊急の依頼っす!」
ユキさんを家に送り届け依頼達成報告をしているとノアちゃんが慌ててやって来た。
「へぇ…どんな?」
「なんすかその私だけ慌ててる感じ…ビーストアウトっす!!この町の北のダンジョンで魔獣が大量発生してるっす!あと半日もしたら溢れ出して大変な事になるっすよ!!」
うっわぁ…シャンプー無くなったっす!とかだと思ってたわぁ…
「他の冒険者は?ホノカとかシロとかレイさんとか、ブレイズのみんなも」
「遠征中っす!Aランクはショウさんだけっす!」
そうっすかぁ…正直僕一人でどうにかなりそうではあるけどすごい数出たら取り逃すかも…
「わかった!ちょっと知り合いに声かけて向かうよ!」
「お願いするっす!」
さて、武闘派か。とりあえずルナとゴウケツさんあたりに声かけてみようかな。
時間も無いしさっさと行こう。
地下室の移動速度もアップデートしてあるので目的地までは案外すぐだ。まずルナを呼びに行くか。
地下室を走らせルナの住処へとやってくる。相変わらずヒマそうにしてんなぁ…。
「おーい清らかにしてるかー?」
「よう童貞、お主も清らかそうで何よりじゃな。妾の人形の使い心地はどうじゃ?」
つ、使ってねぇし!
「なんかビーストアウトっていうのが始まるらしいから手伝ってよ」
「まあショウの頼みなら断らんよ。妾も暇しとったからの」
「いやぁ暇人で助かるわ、まあ時間もないから次行こうぜ」
「お主…妾一応七聖竜じゃぞ…」
僕だって一応ショウだぞ!
次はゴウケツさんの村だ。なんか結構久しぶりな気もしないでもないような?
「あのオーガに会いに行くのか?パンチングマシーンの」
「そうだよ、まあルナだけでも大丈夫だろうけど一応ね」
「まあ妾も少し会ってみたいのじゃ」
ルナに乗っての移動は凄まじく速い、会話をしていたらすぐに目的地に到着した。
地上に降りるとゴウケツさんが駆け寄ってきた。
「ショウさんか…急に竜が攻めて来たのかと思って驚いたぞ」
ゴウケツさん、お久しぶりっす!
「この男があのオーガか、確かに強そうじゃのう」
「七聖竜か?俺はゴウケツだ。ショウさんの知り合いなら歓迎するぞ。まあゆっくりしていってくれ」
「いやそれがゆっくり出来ないんだよね、ビーストアウトが近いらしくて手伝って欲しいんだよ」
「ほう…ショウさんの頼みを断るわけがない、村の守りはサイカに任せて俺が行こう」
「ありがとうございます。じゃあ行きましょうか」
「おいお主…妾の時と態度が違いすぎじゃろ…」
いやだってそりゃそうじゃん。僕がゴウケツさんに「良かったわぁ暇人で」なんて言うわけないでしょ?何言ってんの君。
ゴウケツさんはサイカさんに了承を得るとルナの背中に乗りこんだ。
さて、魔獣退治にいこうか。
「のうゴウケツよ、どちらが多く魔獣を倒すか勝負せぬか?普通にやってもつまらんじゃろ」
「確かに面白そうだ。しかし何を賭けるのだ?」
「そうじゃのう…ショウを一日自由にできる権利でどうじゃ?」
何言ってんの?リスクないじゃんルナ。
「なるほど…それでは俺が勝ったら一緒に酒でも飲んで貰うか」
ゴウケツさん見習え!こういうのが良い人なんだぞ!
でもまあ手伝って貰うしな…僕はゴウケツさんを応援するけどね。
ダンジョンの入り口に到着したが静かなもんだ。本当に魔獣とか出てくるの?
「すごい数だな…これがビーストアウトか…」
「まあ余裕じゃろ、雑魚が何匹出て来ても雑魚じゃわい」
確かにねぇ!いやぁ多いわぁ!静かな中にもその…殺気?あるよねぇ!分かるわぁー。
「まあもうしばらくは出てこないじゃろ、少し休憩じゃ」
「そうだな、ショウさん、悪いのだが食事を取っても良いだろうか?」
どうぞどうぞ、いっぱい食べて大きくなって下さい。
ルナとゴウケツさんはやはり肉だ。それぞれ鉄板にどんどん肉を乗せて焼いては食べる。いつ見てもどこに入ってんのか分からないな。
「やはりオーガは食うのう、妾も負けてられんのじゃ」
「ルナティアも良く食うな、流石戦士だ」
出た!最上級の褒め言葉!これしか無いけど!
「お?そろそろ出てくるのじゃ」
ルナがそう言うので僕は地下室で待機、ゴウケツさんとルナは地上で敵を待つ。
まあ地面透視しないと敵見えないからさ、僕は下から見上げるしかできないよね。
ルナティアの服って鱗なんだよな…なんで下着の色が違うんだろう。
そんな事を思っているとルナがこっちを向いた。
ニヤニヤすんな!しょうがないんだ!僕は上を見続けるよ!
「そら、出てくるぞ、それでは勝負開始じゃな」
「そうだな…初めから本気で行くぞ」
次の瞬間、ダンジョン入り口から様々な魔獣が溢れ出して来る、なんだあの数…小さい入り口から出て良い数じゃないが?
「妾から行くぞ、オーロラ・レイン!」
上空に美しいオーロラが出現し、光が槍となり魔獣をどんどん射抜いていく。
これルナ一人で良かったかも…。
「残りは貰うぞ」
ゴウケツさんは残った魔獣を次々投げ飛ばし壁に叩きつけていく、巻き込まれた魔獣も同時に壁に衝突しただの肉塊に変わっていった。
「流石の力技じゃのう!もういっちょ行くぞ!ムーン・フォール!」
そういや月花竜とか言ってたっけ、綺麗なもんだ。
上空に大きな月が出現しボロボロと崩れ敵の頭に降り注ぐ。
なんかゴウケツさんにも当たってない?平気そうだから良いけど。
ゴウケツさんも負けじと敵を投げ飛ばす。ただ掴んで投げるだけなのになんでこんな強いの?
角のある魔獣はへし折ってから投げる、溜まった角は手の中で砕いてこれまた投げる。
ショットガンじゃん…長距離もいけるけど。
30分ほどで最後の敵が消え、ビーストアウトはあっけなく終わった。
「まあ妾の勝ちじゃな!」
「うむ、やはり魔法は強いな、こういう場では範囲攻撃ができる者の方が強い。勉強になった。」
そりゃそうか…まあそうだよな。
「ショウにしてもらう事はまあ後で考えるのじゃ!まずは酒じゃな!ビールじゃビール!」
「そうだな、俺はウィスキーをもらおう」
こうして見るとレアな組み合わせだ。
ちょっと戦ってみせて欲しいな…シミュレーションで。
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