第88話 戦闘力 スナイパー
全員で風呂を上がった後エルナが新しい施設で遊ぶと言い出したのでまず改良型のパンチングマシーンに来てみた。
「ぶっちゃけ七聖竜なら地獄級はクリアできると思うけど超地獄級は多分無理だよ」
「なんやねんその物騒な名前、舌でも抜かれそうやな」
「俺は魔力が使えないと大した事はできないからな、とりあえず上級あたりで様子見だな」
「俺は一応事務職だからな、まあ上級あたりだろ。」
上級が一番下じゃないが?何言ってるの?
「じゃあウチが最初に地獄級ってやつ行ってくるねー」
まあ二台あるからどんどんやってもらっても良いんだけどね。
「うわっ!なにこれ本当にゲームなん?やばいっしょこれ!!」
楽しそうに的を撃ち抜くエルナ、脚技中心なんだな。
しかし見えるな、ミニスカートからチラチラと。
「なぁヴォルフ、あれどう思う?」
「素晴らしい攻撃精度だ。的の中心を撃ち抜く正確さと攻撃力、流石だな。」
うーん、いやまあそうなんだけど…
全員まるでダンスを踊るように的を撃ち抜くエルナに見惚れている。何?みんな胸派とか?
エルナは最後のフェンリルは少し手こずったようだが普通にクリアして見せた。
そして行けるっしょ!と超地獄級に意気揚々と入っていって見事に撃沈したのだ。
「あんなん無理じゃね?全然見えねぇし。」
まあ魔王しかクリアしてないから。
今度はワイが行くで!とゼフが地獄級にチャレンジ。ボクサーのようにステップで移動し、素早いパンチで的を射抜いていく。あっさり地獄級をクリアして帰ってきた。
「すごいのお!ホンマに狼が出てきたのかと思ったわ!ゲームやから気にせんで殴れるのがええなあ!」
「ゼフは超地獄級やんないの?」
「エルナディアの見てたけど無理やな、ワイも見えへんわあんなの」
まあルナが見えてないからなぁ…やっぱ無理か。
そしてローガンさんとヴォルフはそれぞれ上級に入って行き、ヴェルフはサクっとクリア、ローガンさんは大分苦戦したがなんとかクリアだ。
「ヴォルフ強くね?ちょっと地獄級やってみなよ」
「案外いけるもんだな、よし!やってみるか!」
時間いっぱい戦ってみたヴォルフだったのだが…
「あれは無理だ!完全に動きを読んで来る!魔力を使えない俺ではどう足掻いても倒せん!」
結局七聖竜って強いんだよね。まあプライマル・セブンとか言われてるくらいだし。
「まあウチらって結構負けちゃいけない存在的な?みたいな感じなんだよね」
「そうやなぁ、そこそこ強く無いと七聖竜って感じせんやろ?」
君達はあのピンクのカメだった竜の前でも同じセリフ言えるの?
「そういや最近サバイバルゲームって施設作ったんだよね。ちょっとみんなでやろうよ」
アリアもいないしトイガンじゃなくて良いだろう。
僕は合成を解除して少し物騒な感じに戻してみた。さて、何が変わったかな。
全員で移動して中に入るとハンドガンが置いてある。多分一番頑丈な僕に打ってみたがデコピンくらいの痛さ?ゼフも試してみたがやはりその程度の痛さらしい。
結局全員試したが痛さは一定、感度を弄れるらしいので少し弱めに設定した。
「ここ気配探知できないやん、なんか不思議な感覚やわ」
「なんか急に静かになった気するじゃん?新鮮な感じじゃね?」
「この道具で相手を攻撃するのか、面白そうなゲームだな」
「俺でもできるか?難しそうだがまあやってみるか!」
ヴォルフとローガンさんもやる気だ。
体力設定があるようで僕とヴォルフとローガンさんは標準でゼフとエルナは30%くらいに減らしてみた。
まあこのくらいが良いバランスだろう。
銃はフィールドで拾えるらしく、スナイパーやマシンガン、ショットガンなど色々ある。全員で性能を確認した後試合開始だ。
フィールドは市街地、さて…今回は普通に勝つぞ。
フィールドに出て家の中を探索するとショットガンを見つけた。うーん…正直微妙?遠距離のスナイパーが欲しかったんだけどなぁ…
本当に丁度良く誰かがこの家に入ってきた所を迎え打つくらいしか…
すると無駄に足音を立ててズカズカと家に入ってくるヤツが現れた。
僕は扉の陰で待ち伏せし、人影が見えた瞬間にショットガンをぶっ放した。
「いったぁ!!何!?ショウじゃん!待ち伏せなんて卑怯じゃね?」
エルナだったか、いや、卑怯とか言われても困るっすね。僕本気なんで。
一撃で仕留めた!気持ちいいーー!
「いやでもこれ面白いじゃん?気配しないところから攻撃されるって新鮮だべ?次はこの家に直で来るから待ってろし!!」
待ってろし!!と言われても僕ショットガンだから待ってろしをしてた方が強いんだよね。
まだ5発は撃てるよ?
今度は家の玄関の陰に隠れて待っていると本当にエルナが走ってきた。
どこからか撃たれてるようだが華麗に避けている。何がなんでも僕を倒したいの?
そして玄関を通過したところで後ろからズドンと撃ち抜いた。
「ちょ!!痛ったいし!なんでそんな所いんの!?」
「いや同じ所にはいないじゃん?普通に」
「またやられたぁ!ウチって防御重視の竜だから相手の攻撃通らないんだよね、だから戦略とか苦手なんだってば!次は負けないじゃん!!」
なんだってば!と言われても困るっすよ。
そろそろ離れるか…僕は裏口からこっそり脱出、天井を見るとエルナ0ポイント、僕は2ポイント、ローガンさん1ポイント、ゼフが2ポイント、そしてヴォルフが4ポイント?そんな強いの?まだ始まってそんなに経ってなくない?
そして視線を戻すと一瞬レンズの光がチラつき、やばいと思った時には頭を撃ち抜かれていた。
「痛ったぁ!完全にスナイプされた!やっぱ遠距離強いって!」
ファンファーレが鳴り響きヴォルフの名前の横にWin!と出ている。
僕で最後だったか…やられた…
スタート地点に戻ると全員まだやる気満々だ。
「俺が七聖竜に勝つ日が来るとは…ゲームとはいえ興奮してしまうな」
いや実際強かったと思う。スナイパー当てるの難しいでしょ。
「ウチ良いところ無かったなぁ、もうハンデいらなくね?ウチだけでも外してよ」
確かにどっちかって言うと弱かったもんね、なんか的って感じ。
「ワイも外してや!気配察知できんのやったらそんな変わらんやろ!」
ゼフも少し悔しい感じですか?
「ゼフさんは俺のハンドガンでやられてるからな、結構一瞬だったぞ」
ローガンさんにやられたの!?どんな顔してやられたの!?
二回戦、エルナも少しは学んだようで息を潜めている。
静かな戦場だが強い武器を取りに行かないと…家を出た瞬間にゼフとバッタリ会ってしまった。
僕はすぐに銃を構えて打ち出したが綺麗に避けられ、逆に銃弾を浴びてしまった。
「びっくりしたわぁ!でもワイの勝ちやな!」
「銃弾避けるとかやばくね?まあやばくねぇか…竜だもんな…」
くそう、次こそは…
しかし天井を見上げるとまたヴォルフさんが4ポイント…強すぎるだろ、そう思った瞬間にエルナの叫び声が上がり二回戦は終了したのだった。
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