第84話 KY 実体化 決戦直前

「なにここ!!すごいね!すごいね!」

ゴーストの名前はアリア、古城がまだ綺麗だった頃に病気で亡くなってしまった女の子。

放ってもおけないのでとりあえず地下室に連れてきたのだが…


ご飯も食べられないし遊ぶにも物に触れられないのはどうしたもんか。

と、言う事でたまにはこっちから女神を呼んでみようと思い立った。


「アリアちゃんの為とはいえあの災厄には会いたく無いでありんすなぁ…」


「あの絞りっカスみたいな神が役に立つのかのう…まぁ今回は仕方ないのう…」

ほら二人とも!子供の前だよ!もう少しオブラートに包んで!アリアの前じゃなかったら全然良いけど!


「神様と知り合いなの!!私も一緒に遊べるようになる!?」

多分?神様らしいけど偉くないよ、底辺だよ。


とりあえず呼んでみるか、ご都合主義で呼べば来るんだろ?


「おーいサキエルー良い酒準備したぞー」


呼んだ瞬間目の前に女神が降臨した。ほら来た、チョロい。

「え?良いんですか?やった!とりあえずおつまみはローストビーフというので!あのナイトプールのラウンジで食べたいですね!」

ほらきた。とりあえずやる事やったら好きなだけ食べろ。出来なければ帰れ。


「あれ?常世とルナティアもいるじゃないですか、暇そうで羨ましいですねぇ、遊んでばっかりじゃダメですよ!」

ダメだ二人とも!抑えろ!アリアの前だぞ!


「「チッ」」

良いぞ!舌打ちで済ませたのは偉い!あとは無視しとけばいいよ!


「あれぇ?なんか不機嫌ですねぇ。あ、もしかして久々に私に会って照れてるんですか?ダメですよ、礼儀はちゃんとしないと!いつまでも子供じゃいられませんよ!」

コイツ空気読めない以前に頭おかしいだろ。二人の顔見てみ?お前いつかボコボコにされるぞ。


「わぁ!神様だ!綺麗な人だねぇ」

今から戦争でも起こるんじゃないかと思うくらいの死んだ空気の中に無邪気な子供の声、アリアちゃんナイス!


「あれ?ゴーストじゃないですか!でも褒めてくれたから浄化はしません!私はこういう感じで生きています!」


知らねぇよ…


「サキエルさ、この子に念力とかなんでも良いから物が動かせるスキル付けてよ。僕のポイント使っていいから。」


「まあ良いですよ、そのくらいじゃ怒られないし。じゃあ実体化スキル付けますね。はい、3000ポイントです。」


アリアは急に地面に降り立ち、文字通り実体化した。

ん?これじゃない感があるが?もう普通の女の子になったよ?


「わぁ!すごい!歩けるし走れる!すごい…すごく嬉しくて…あれ…なんでだろ…」

感動で泣き出すアリア、結果的には良かったかな。でもこれって生き返った事にならない?

あと3000ポイント?だから使う前に言えよ。もう1000ポイントも残って無いじゃん。


「良かったですねぇ、あ!ローストビーフ下さい!良いお酒ってBARにあるんですか?勝手に持っていきますね」

とりあえず頭の整理が付かないのでサキエルにエサのローストビーフを渡し、消えてもらった。


「やっと消えたか…あの女は人を怒らせる為に生きている畜生じゃなやはり…」


「イライラしすぎてフワフワするでありんす…」

頑張ったな二人とも。後でいっぱい陰口叩こうぜ。


「ありがとう!ショウのお陰で生き返っちゃった!しかもこんなに元気に走り回れるよ!」

僕の周りをクルクル回るアリア。これからの事はこれから考えるか。まずはナイトプールに近づかないように遊ぶか!


しかしこの地下室って小さい子と遊ぶような物って少ないよな。

水族館とかボードゲームくらいか?

ナイトプールは今ローストビーフを食べる変な女がいるからなぁ。


何かないかとステータスを確認、子供も遊べる…積み木って年齢でもないし、なんかこう直感で出来ちゃうみたいな…

サバイバルゲーム?何このあからさまに面白そうなの。


ポイントは100ポイントだし結構なもんが出そう。でも子供に銃っていうのも良くないよなぁ…

オモチャの銃と合成したらなんか怒られない感じの遊びにならないかな?


とりあえず合成してみて様子を見てみよう。多分面白い感じのが出来ると思うんだよね。


「アリア、多分子供でも楽しめる遊び場作ったよ。一緒に遊ぼうよ。ルナとトコヨも参加してくれ」


三人は快諾し、新しくできた施設へと向かう。


「おお!思った通りのだ!これは楽しそう!」

入り口にはオモチャの鉄砲と胸に付ける的が置いてある。

トイガン?っていうのか?引き金を引くとポンっと言う音を立てて球が飛んでいく。

しかしかなりのスピードだが?僕には避けられないな。


実弾ではなくホログラムのような物で当たっても痛くも痒くも無いが、的に当たるとガン!っと大きな音を出す。

スコアは天井に表示される仕組みのようだ。


ゴーカートのようにステージが選べ、街中からジャングルまで選びたい放題。

最近の地下室ちょっと近未来化してない?


「なぁ常世、この部屋に入ってから気配が消えたのじゃが…」


「わっちもでありんす。気配探知ができない仕様みたいでありんすな」


「おもちゃのステージがある!クマさんとかウサギさんがいっぱいだ!」

子供の吸収力はすごい、もうステージを選びもお手の物だ。


僕はこのゲームについて説明し、シンプルなのでみんなすぐに覚えてくれた。


「妾向きのゲームじゃな、容赦はせんのじゃ」

「わっちだって負けないでありんす」

「私だって負けないよ!楽しみだなぁ!早くやろうよ!」


さていくか…決戦のバトルフィールドへ…



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