第79話 勇者と聖剣 魔王の実力?
僕達は今BARで酒を飲んで談笑中。
「勇者の連れの魔法使いが強いらしいね」
ゼルも結構情報収集はしてるんだな。
「妾の見たところ勇者より遥かに強いぞ、杖の効果もあるがの」
「怖いなぁ…勇者も結構育ってる頃だし、一筋縄では倒せないかもなぁ…聖剣の出来も良いって話だし」
なんかゼルも良いヤツだし…できれば戦って欲しくないなぁ。
「聖剣の出来が良い?普通に折れたのに?」
「「「折れた!?」」」
どうしたの急に、のんびりしてたガル爺まで。
「折れたの?聖剣が?なんで!?」
ゼルは明らかに焦っている、そんなに大事な事?
「折れたよ、僕の大砲で撃ったら折れた、一応地下室の力で直したから安心していいよ、何焦ってんの?」
「直った?それもまた驚きだけど…聖剣折れた時に勇者に変わった事無かった?」
「急に泣き出しちゃったよ、いや僕も焦ったのなんのって」
あの時は本当に焦ったなぁ…いや懐かしい。
「ショウよ…勇者は泣かないのじゃ…強くあり続けるのが勇者じゃからの…」
「聖剣が折れたなんて驚きじゃのう…ワシらでも折れないぞ聖剣は…」
「それ大丈夫なのかな?まあ来ないなら来ないで僕も戦わなくて済むから良いんだけど…」
え?いいの?じゃあそれで良いじゃん。
「でもなぁ…一応引き合う力は感じるんだけど…まあその時はその時だね」
別にゼルも好きで勇者倒すわけじゃないしな、逆に僕が魔王領に先に来ていたらゼルを応援していたのかな。
エルナが言っていたどっちが悪い訳でもないってこういう事か、少し納得したよ。
「まあ飲もうか、魔王と飲めるなんて思わなかったし」
「このシャンパン?美味しいね、次は日本酒っていうの飲んでみようかな。」
「妾はやっぱりビールじゃな、結局これじゃ」
「ワシは日本酒じゃのう、同じ見た目でこれほど味と香りが違うのは奥深いのう…」
それからローストビーフをツマミにガンガン飲む三人、結構飲むなぁ、まあ大丈夫だと思うけど。
数時間経っても同じペースで飲み続ける三人、流石に僕はヒール風呂で酒を抜いてきた。一緒に飲んでたら中毒になりそうだ。
「ところで色んな遊びもあるみたいだけどアレはなんだい?」
お?パンチングマシーン改か、超地獄級とかやってみて欲しい!
「あれはパンチングマシーンって言って攻撃力を測る機械なんだけど、最近改良されて敵と戦うモードも付いたんだよね。やってみてよ、面白いから」
「なに?敵と戦うじゃと?どれ、妾の実力を見せてやるわ」
大丈夫?酔っ払って勝てるの?
任せるのじゃ!と胸を叩くルナの戦いぶりをみんなで見学。やっぱ強いなルナは…
でも案外苦戦してないか?
「くっ!おのれ此奴!ちょこまか動くな!待つのじゃ!!」
まだボスまで行ってないのに…勝てるの?ボス。
「ねぇショウ、ルナティアは何をしてるの?なんか的を追いかけてるけど…」
そう見えるよね…実際にやらないと分からないんだよねこのゲーム。
「やれば分かるよ、きっと驚くよ」
魔王の実力ってどんなもんなんだろ、良いのかな僕見ちゃって…
「じゃあルナティアが終わったら遊ばせて貰おうかな」
「ワシには無理じゃな、普通にしんどいわい」
ガル爺って爺さんなの見た目だけでしょ?爺さんのフリしすぎると爺さんになるの?
そう言って酒を飲み始める爺さん。まあたらふく飲んでくれ。
ルナはなんとかラスボスまで勝ち進んだ。
「コイツでラストじゃな!ってなんじゃ?チョロチョロしおって!」
ゴウケツさんもクリア出来なかったんだよね結局。だから僕も敵がなんなのか知らないんだ。
「そこじゃ!!」
ルナは動きを読んで渾身の一撃を放つ。
おお!当たった!
そこから何度か攻撃を当てたのだが…結局時間切れになってしまった…
「クリアさせる気ないじゃろ!!結構良いの入ったというのに全然倒せん!!」
ルナでも無理だったか…
「面白そうだね、じゃあ僕の番だ」
そう言ってゼルはパンチングマシーンに入っていく。どうなるんだろ、ワクワクする。
「おおお!これはすごいね!!本当に戦ってるみたいだ!勇者以外と戦った事ないから新鮮だなぁ!」
とても楽しそうに的を撃ち抜くゼル、あれ?超強くない?
「これがさっきルナティアがやってたヤツだね、可愛い顔してるじゃないか」
見えるの?そのスピードで動く敵。
「そ、そうじゃの!可愛い顔の敵じゃ!妾もそう思っとったところじゃ!」
なんか動きは読めてたけど見えてなかったよね、ルナは。
鋭いパンチをどんどん叩き込み、遂にクリアしてしまった…
敵を見せて貰うとまん丸の黒い塊につぶらな瞳をしている…なんだろう?可愛いかこれ?
画面には120000ポイントと出ている、あの速さの敵にこんなに打ち込むの?やっべぇなこのボス。
「いやぁ楽しいねコレ、久しぶりに全力で戦えたよ」
「まぁ妾の全力には及ばないがの!!及ばないのじゃがの!!!」
最近負け惜しみがブームだ。流行にも敏感なんだな、流石っすルナさん。
「ルナティアと普通に戦ったら負けるよ、ここ魔法使えないでしょ?」
本当に?でも七聖竜の2番目だしな…普通に強いのかも…
「ルナティアは普通に強いんじゃよ、ただ魔力を使えない場所だと大した事ないんじゃ。」
お?ガル爺、ちょくちょく入ってくるね。
「まあの!そういう事じゃ!つまり勝ちじゃ!」
いや負けじゃ。この場では普通に負けだよ。
「あれも気になるんだけどあの机はなんなの?何かのゲーム?」
ゼルさん、次は麻雀ですか?それなら僕も戦える!!
魔王をぶっ飛ばしてやろうじゃないか!!
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