第77話 頑丈 地下二階
水族館楽しかったなぁ…
僕はゴウケツさんと今風呂に入っている。
「あの戦士と随分仲が良いみたいだな、あの娘は強い子を産みそうだ」
ゴウケツさんらしい意見だ。しかし僕はどうしたいのだろうか…
ガル爺の勇者の話にはヘタレだのなんだの文句言ったくせに僕も大して変わらないのでは?
まあ僕の勘違いだったら恥ずかしい、そんな言い訳をずっと言い続けるのだろうか…
まあそれはまた今度考えるとして…
今のこの風呂のアップデート後の話だ。
大きな違いがお湯を自由に変えられるようになった。
ミント、薬湯、バラ、柚子、紅茶、酒、などなど覚えきれないくらいの種類がある。
まあこれは嬉しい限りだ。今は柚子が浮かんでおり良い香りが鼻腔をくすぐる。
酒風呂は入ってるだけで酔っ払ってしまうのでしばらく封印だ。危なすぎる。
そしてヒール風呂にもこの機能が付いたのだが…
ヒール、ハイヒール、エクストラヒール風呂なる切り替えが可能になった。
そもそもヒール風呂ですら欠損部位を回復するほどの性能なのにこの上が二段階?もう生き返ったりすんの?
「ゴウケツさん、エクストラヒールって聞いた事あります?」
「いや、聞いた事が無い。ここのヒール風呂ですらとんでもない性能で驚いたくらいだ。」
怪我して入ってみれば分かるけど…
そういえば丈夫な身体をアップデートしたんだ。3000ポイントも使ったしどのくらい硬いのだろうか。
3000ポイントってレベル3000上げた分のポイントでしょ?もう防御面は完璧なのでは?
そこで好奇心が湧いてきた。
もしかしてゴウケツさんの一撃にでも耐えちゃうんじゃないの?耐えられなくてもアザくらいで済むのでは?
ちょっと一発ぶん殴ってもらうか。
「あの、ゴウケツさん、僕をぶん殴って貰って良いですか?丈夫な身体スキルの性能見たいんですけど…」
「ショウさん…別に構わないのだが…良き友人を殺すわけには…」
「エクストラヒール風呂の近くなら大丈夫ですよ。一発ドーンとお願いしますよ。」
そう、僕はさっき試した酒風呂で酔っ払っているのだ。普段ならこんな提案はしないのだが今日の僕は強気なの!
ヒール風呂の前に立って構える、ゴウケツさんに数回軽く殴って貰ったが全然痛く無い。
少し力を入れて貰っても痛く無い。
そこそこの力でも痛く無い。
結構振りかぶっているが…痛く無い!これは耐えられそうだ!
「ゴウケツさん!大丈夫そうです!思いっきりどうぞ!!」
「いや…今のが本気だったのだが…どんな身体をしているのだ…」
少しショックを与えてしまった…しかし今の僕は勝てないが負けない!そんな感じだ!
その後少し落ち込んだゴウケツさんとサウナに入り、整った僕達は風呂を上がった。
リビングでは毎度の宴会が行われており、それぞれ好きに飲んで食べている。
そんな足元にある扉、なんと地下二階が誕生したんだ。
アップデートで広くなった一階部分と同じ広さの何もない空間。初めてこの地下室に来た時を思い出す。
しかしポイントも無いのでしばらくは放置となるが、何を設置しようか今から悩むな…
アスレチック付きの公園とか良いかもしれない、きっと思いっきり遊べる空間になるだろう。
周りを見渡すと笑顔で溢れる地下室。
レイお姉様はあいかわらずファンに囲まれているが最初とは打って変わって笑顔を見せている。
子供達とチヒロちゃんは走り回って遊んでいるし。
ゴウケツさんとサイカさんはシャンパンを飲みながら大人の雰囲気。
やっぱり人がいると楽しいなぁ…いつか知り合いみんな呼んでパーティでもしてみたいもんだね。
こんな幸せムードに浸っていた僕は、まさか明日魔王領に行くなんて思ってもみなかったのだ…
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