第47話 ブレイズ 化粧水 乳液

化粧品かぁ、全く分からんな。

僕は風呂の中でステータス画面と睨めっこ。

化粧水?乳液?これでいいか、多分無いだろこういうの。


風呂上がり、魚を新鮮なうちにどうするかと相談し、アルカリスの町の人に配ることになった。


氷漬けにした魚をみんなでギルド入り口まで運び、希望者に手渡し、町民が殺到してすぐに無くなった。


「いやぁみんな喜んでいたな!俺たちの釣った魚、また機会があったらこうして配ろう」

ローガンさんは得意げに話す。釣り楽しかったんだろうな。仕事漬けって言ってたしいい気分転換になったろう。


「そうですね、もう少しお休みが増えたら良いんですけどね。」

ユキさん、おやすみ欲しいんだね…でもギルドは忙しいからなぁ…


「依頼を放置はできませんからね、困っている人を放ってはおけません。」

マロンさん、頑張ってるあなたにこれを。


「マロンさん、今回の商品です、化粧水と乳液っていう物ですね、寝る前にでも化粧水で肌を潤した後に乳液で保湿してみて下さい。きっと肌が綺麗に保たれますよ。」

僕は男なので知らないけどみんなやってたしきっと基本なのだろう。


「ショウさん、ありがとうございます。ちょっと使ってみますね、今日の夜にでも試してみます。楽しみですわ」


ギルドのメンバーは仕事に戻り、ブレイズのメンバーは泊まっていくらしく、タマも久しぶりにお泊まりだ。

まだ夜は長い、最近遊んでばっかりだなぁ。


地下室に戻り晩御飯はカレーになった。流石に刺身を食べすぎて濃いものが食べたいそうだ。

ちょっと趣向を変えてチキンカレーにするか。


ブレイズのメンバーとタマはボウリングをしてみたいそうでカコンカコンと良い音を鳴らしながら遊んでいる。


「カレーできましたよー!」

ボウリング場に着くとカムイさんが投げる所だった。


物凄いスピードで投げられたボールは真ん中のピンに当たり気持ちのいいくらいのストライク、力でねじ伏せた感じ?


「うおおお!やったぞ!ストライク二連続だ!」

みんな盛り上がってるな。このゲームが終わるまで待つか。

「あ、ショウさん!見てくれたか?俺のストライク!」


「見てましたよ。パワーこそ力って感じでしたね。」

このゲームが終わったらご飯にしましょうと見守り、勝ったのはアカネちゃんだった。


「やったぁ!リーダーは力はすごいけどコントロールがいまいちだね!」

アカネちゃんこういうの得意そうだもんな。

しかしシルバさんとシンシアさんも結構上手いな…


「少し重いですけど投げられない事はないですね、ストライクの快感はクセになります」

シンシアさんって何かするとすぐクセになりそうになるよね。


「タマも頑張ったにゃん!でも普通に難しいにゃん!」

タマもコントロールが良ければなぁ、でもまあ上手くないと楽しめないゲームじゃないしな。


「ワシでも投げられるからのう、腰をやったら風呂に行けば治るしの」

荒療治だけど続けたら完治するんじゃない?

それにしても腰か…腰痛に効くコルセットみたいなあるんじゃなかったっけ?

ステータスを開き腰痛ベルトを交換、シルバさんに渡す。


「これ着けたら楽になるかも知れないですよ?腰痛に効くコルセットです」

それは本当ならありがたいのう、そう言ってコルセットをキツめに巻くシルバさん。


「お?おぉ!これは楽じゃな!すっかり痛みが無くなったわい!若返ったようじゃ!ショウさん、ありがとうな。」

良かった、普通のお爺さんよりは絶対筋力あるし少しサポート付ければ平気だろう。


「良かったな爺さん!」

「ショウさんには頭上がらないよね」

「私も何か欲しいわぁ…」

まあお爺さんには優しくしないとね。


そしてみんなでチキンカレーを食べる、流石に普通の辛さだ。僕は激辛も好きだけど。


「これは…辛いが美味い!こっちのほうが好みかもしれん!」

「辛いけどどんどん食べられるね!」

「これはこれで美味しいのう、しかしワシは前の方が好みじゃな」

「そうですね、辛いのは得意ではないので前の方が良いかもしれませんね、しかしこの大きなお肉は絶品ですわ」

「辛すぎて食べられないにゃん!これは無理にゃん!」


そんな人の為に普通のカレーも作ってありますよ。

好みが分からなかったのでね。


そして食べ終わった後はBARに行き…ブレイズメンバーは麻雀を始めた。

なんか麻雀って人を引き寄せる魔力みたいなもんあるよな。


僕はタマとエアホッケー、平和だ。

「負けないにゃん!」

「タマには負けられん!なんとなくな!」


これは勝てる!まだ反射角度に慣れてない!今なら!

カンカンと良い音を鳴らす横では四人が真剣な顔で牌を握る。


「ロンですわ、タンヤオドラ3」


「その待ちはえげつないのう…全く分からんかったよ」


「えー!私のテンパイしてたのにー!」


「俺もだ!くそうデカかったんだけどな!」


楽しそう、しかし笑顔が無い。そんなゲームだ。

僕は僕の戦いに集中しよう。

タマも慣れてきてどんどん強くなってるしな。



「やったにゃ!勝ったにゃん!」

「くそう!間に合わなかった!」

猫族の反射神経恐るべし!もう今後は絶対に勝てない!そんな気がする!


結果何回やっても勝てなかった。良いとこないぞ僕!

もう深夜なので休みますと伝え、僕とタマは先に寝ることにした。


「今日も楽しかったにゃん!ありがとにゃん!」

「僕も楽しかったよ、またいつでも遊びにおいで。」


いや疲れたな…さっさと寝よう。


翌朝、みんなの姿が見えないのでまさかと思いBARを覗いてみると…


「ツモだ!リータンピンドラドラ!」

うわ…徹夜か?大丈夫かAランク冒険者


「あの、もう朝ですけど?」

全員目の下にクマが…本当に大丈夫か?


「ショウさん?朝?そんなにやってたのか俺たち」

「気が付きませんでしたわ…確かに眠い気が…」

「眠くなっても配牌が良いと目が覚めるんじゃ…困ったことに」

「本当に!?もう寝ようよ!流石にやばいよ!」


そうです、流石にやばいんです。

全員寝室に歩いて行き、そのまま眠るそうだ。

朝から動きっぱなしだったよな…いつ起きるんだろ。


タマもまだ寝てるようだしギルドに顔だすか、化粧水の効果がちょっと気になるし。


そしてギルドに入るとユキさんとノアちゃんが飛んできた。


「ショウさん!あの化粧水と乳液私にも下さい!!」

「先輩ずるいっす!私も欲しいっす!!」

何事かと思っていると後ろからお肌ツヤツヤのマロンさんが現れた。

へー、効果絶大って感じだなぁ。


「ショウさん、これ良いですわぁ…この肌、若返ったようですわぁ。」


「ずるいです!私も欲しいですぅ!」

「私も欲しいっす!絶対欲しいっす!!」

なんか駄々っ子みたいになってしまった。


「マロンさんは良いんですか?一応賞品だったわけですけど」

一応確認しないとね、まあ悪いとは言わないだろうけど。


「良いですよ、でも私の賞品ですのでもうワンセット欲しいですわ」

抜け目ないな!まあいいか。


地下室に戻り化粧水と乳液を交換、一本はマロンさん用に豪華なビンに入った物にした。

賞品だし特別感を出そう。

そしてギルドに戻り三人に渡す。


「ありがとうございます!これで私もあの肌に!」

「ありがとうっす!大事に使うっす!」

正直ノアちゃんって若いから必要ないのでは?まあ女の子だし必要なのかな?


「このビンだけでも高そうですが…良いのですか?」

まあ中身は一緒ですし良いんです!賞品なので!


「一応大量生産というか、無限でもないので内緒ですよ、町中の女性が欲しいとかなったら困るので。」


任せて下さい!と元気良く返事をし、大事そうに抱えて受付に帰って行った。


なんかキャバ嬢にお土産持ってくおっさんみたいだな僕…


あとでブレイズのみんな起きたら依頼でも受けるか、最近遊びすぎだしね。

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