第43話 メイドvsエンシェントドラゴン レース

ルナとレイさんが試合?大丈夫なの?

僕達は今ギルド訓練場に来ている。ここホノカの一撃でクレーター出来てたけど直したんだ…お疲れ様です…


「妾の身体にキズを付けられたらお主の勝ちでいいぞ、この姿でもそこそこ強いからな妾」


「それはそれは、寛大なお心遣いですね。」

既に戦闘ムードだ、Aランク冒険者vsエンシェントドラゴンのカードに観客も押し寄せ、訓練場は熱気に溢れている。


「試合も良いですけど壊さないで下さいね、修理大変なんですよ!」

ユキさん…なんか無理な気がします…


試合開始の宣言と同時にレイさんが飛び出す、一瞬反応が遅れたルナは拳を振るうが体制を低くし避けたレイさん。

そのまま回転を加え二本のナイフで切り掛かった。

カキンと金属音がして後ろに飛ぶレイさん。


「流石に硬いですね…」


「いやお主の勝ちじゃな…油断したわ」

ルナの胸元から血が滲んでいる。


「そのナイフ何で出来ておるんじゃ?妾に傷を付けるなんて聖剣でも難しいぞ」

なんか新しい鉱石らしいっすよ、二本で一億くらいの。


「ショウ様に頂いたナイフです、そこらのナマクラとは訳が違います」


「それでどうする?お互い不完全燃焼じゃのう…」


「そうですね、まだまだご指導願いたいですね」


「決まりじゃな…」

「そうですね…」

え?まだやんの?まあヒール風呂あるから良いけど。


お互いがお互い目掛けて突撃、レイさんは素早い連撃を繰り出すが爪で弾くルナ。

キンキンと金属音を出しながらお互い一歩も引かない。

すると少し距離を取るレイさん

「我流、昇蓮華」

地面スレスレで移動しルナの下に潜り込むと下から体重を乗せた連撃を叩き込み、ルナを上空に舞上げた。


「我流、翼堕とし」

地面を蹴り上に回り込むと今度は上からの連撃、最初にドラゴン討伐したときの技か?技名言うあたり絵本の影響なのかな?僕は好きだよそれ。


叩きつけられたルナ、大丈夫か?エンシェントドラゴン。


「決めます!我流、龍滅閃光」

なんだ?早すぎて見えない、物凄い連撃だ。ルナ大丈夫?


ルナは連撃から辛うじて抜け出し、横に飛んだ。

「痛いのう!なんじゃそのナイフ!妾の鱗がボロボロじゃ!」

所々流血している、結構痛そうなんだが…


「どれ、反撃じゃ、耐えてみるが良い」

ルナはそう言うと視界から消え…レイさんの前に急に現れた。

ルナの拳がレイさんの顔に突き刺さる瞬間、剣をクロスさせてガード、すごいなあの反応速度…天才的じゃないか。


しかしルナはエンシェントドラゴン、パンチングマシーンで50000kgを出したその拳を受け切れる訳がなく…


レイさんは吹き飛び壁に叩きつけられた。

もう無理だろあれ…

そしてレイさんが口を開く。


「降参です…勉強になりました…」

やりすぎじゃないの?早くお風呂行こうよ。


「お主強いのう!普通のドラゴンなら瞬殺じゃろうて」

ただただ戦闘に魅入っていた観客は我に返り一気に訓練場は歓声に包まれた。

「かっこいいぞメイドの姉ちゃん!」

「エンシェントドラゴン強すぎだろぉ!」

「良いもん見たぜ!俺も血が激ってきた!」


僕は地下室を出してレイさんを担いだルナはヒール風呂まで連れていく。

レイさんは満足そうにルナの背中にしがみついていた。

「次は負けませんよ…」

「バカを言うな、妾に勝てたら神をも殺せるぞ?」

あ、そんなに強いんだこの人。


「待って下さいっすー!私も行くっすー!」

「わっちも行くでありんすー」


僕達はひとまず風呂に入って汗を流す事にした。

訓練場壊れなくて良かったね。


風呂上がり、傷も癒えた2人とノアちゃんとトコヨでナイトプールに来た。

レイさんとルナは意気投合したらしく笑いながら酒を飲み、ノアちゃんはトコヨターボで遊んでいる。


トコヨターボとは僕が名付けた遊びでただトコヨに捕まって水中を高速移動するだけなのだが、これがまた面白い。


しかしノアちゃんとレイさんの水着、特にレイさんは刺激が強いな…

いつもメイド服なので肌を露出されるとグッと来るものがある。花柄の白っぽい水着だがよく似合うな。


ノアちゃんは水色の水着で遊んでいる、うーん、こっちはこっちで中々…


ノアちゃんとレイさんはナイトプールは初なので色々と感動していた。

「この大人の雰囲気…なんというか…」

「なんかエッチっすよね!まあいいっすけど!」

本当になんでなんだろうね、感じ方の差だよ!僕はそういう目で見るけどね!


「トコヨちゃんマジ早いっす!最高っす!二人もやったらいいっす!」

ノアちゃんに誘われてトコヨターボをする二人。

「うおおお、常世!お主やるのう!これは楽しいぞ!」


「これは…クセになりますね…水中の光も相まって幻想的です。」


「良かったでありんす!もっと遊ぶでありんす!」

しばらくトコヨターボで遊んだ僕たち、そこでルナがこんな事を言い出す。


「ウォータースライダーで勝負といこう、妾は早いぞ?」

勝負と聞いて二人とも乗り気だ。ウォータースライダーは三種類あるが長さは同じ、カーブなどはそれぞれ別なのだがタイムとしては大して変わらない仕様だ。


とりあえず二人は三種類滑ってコースを確かめる。

「これめっちゃ楽しいっす!私は一番右が早いと思うっす!」


「確かにこの滑り降りる感覚、楽しいですね、私は真ん中が早いと思いますね。」


「なんじゃ?良いのか?妾は左が早いと思うんじゃが。」

それぞれコースにつき、僕の合図でスタートだ。


「みんなー準備いいー?いくよー!スタート!!」

全員一斉にスタート!さて誰が先に出てくるだろうか?


水飛沫が上がり一着はノアちゃん、続いてレイさん、ルナだな。


「勝ったっすー!やっぱりカーブの曲がり方っすね!」

「少し及びませんでしたか…もう少し体重移動を正確に…」

「なぜじゃあああ!あんなに練習したのに!」


その後何度もやっても、コースを変えても着順は変わらない。少し僅差になる事はあってもノアちゃんが一位だ。


「なあもしかして水着の素材じゃないか?ノアちゃんの水着って抵抗無さそうだし、ルナってそれ鱗だろ?引っかかるんじゃないの?」


なるほどと納得したレイさんは新しい水着に着替えてきた。ノアちゃんと同じ素材だ。


「なるほどのう…妾ももう少し鱗を抑えるか、もう一回じゃ!!」

そして始まったレース、最初に飛び出してきたのは…


「よっしゃあ!妾の勝ちじゃあ!!」


全裸のルナだった…

「ショウ様!見てはダメです!見るなら私を!」

「あーいけないんだーユキ先輩に報告しちゃおっかなー」


待って僕悪く無い!これで有罪なら目を潰して生きる他ない!


「ルナ!とりあえず隠せ!いつまで出しっぱなしなんだ!」

でも見てしまう!無罪でいたいのに!


「なんじゃ?ウブじゃのう、お主は女性経験がないな?そんな匂いがするぞ?」


は?なんすかそれ?どんな匂いっすか?ダメなんすか童貞って、別に良いじゃないっすか個人の自由ですよ!


「ショウ様…そうだったんですか…いざとなったら私が…」

「え!その顔で童貞なんすか!?なにそれ超貴重っすね!イケメン童貞とか激レアっすよ!」


おいなんだこの空気!ルナ余計な事言うなよ!悲しくなってしまうじゃないか…


「まあ良いじゃろ、ショウならそのうちいくらでも抱けるようになる、それまで大事に取っておけ」


ぐぬぬ…


「まあそれは良いとして!お腹も空いたしご飯にしよう!童貞の作るご飯で良いならね!!」


「めっちゃ引きずるじゃないっすか…良いっすよショウさんのご飯は美味しいっすから。」


「私にできる事があったら言って下さいね、ショウ様の為ならなんでもしますので」


「肉じゃー!ローストビーフ食べたいのう!」

「わっちも食べるでありんす!」


今日も賑やかだな…なんか今レイさんがとんでも無い事言ったような…まあ慰めだよな…

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