第25話 作戦会議 露天風呂 シロ
「と、いう事で明日王女様が来ます」
地下室に戻りみんなに謎の報告をする。
「しかし王族まで来るようになるとは…まあこの地下室なら大満足じゃろう」
シルバさんはサラミを食べながらハイボールを飲んでご機嫌だ。明日はセグウェイで出発ですね。
「ショウさんの料理はなんでも美味いからな!何を出すんだ?俺が試食しても良いぞ。」
カムイさんは鉄板焼きで肉を焼きながらビール、最高だよねそれ。
「パジャマなどは持ち込むのでしょうか、一応このシルクのパジャマをご用意したら喜ぶと思いますわ。」
シンシアさんはカクテルを飲んで少し顔が赤い、色っぽいよなぁこの人。
「ショウさん、王族っていうくらいだからでっかい風呂はもう驚かないんじゃない?もっと大きくしたら?」
ん?確かにそうかも、ちょっと考えておこう。
「ショウ、あまり気負わない方がいい、あの王族はいい人ばかり。」
シロ、オセロ強くなったな…相談しながらシロと対戦中だがもうほぼ真っ黒だ…クロに改名したら?
「まあ大丈夫よ!私も怒られた事ないし!」
ホノカ、お前は怒ってもしょうがないから怒られてないんじゃないか?
無礼かつノンデリだぞお前。
んーまあまず風呂か、アップデートしたら今度は何ができるんだ?
ブレイズのメンバーがダラダラして幸せポイントを貯めたので少しポイントに余裕はある。
大砲のアップデートでガッツリ減ったがまだ残り200ポイント。風呂をアップデートしてみるか。
僕はステータスを開き風呂のアップデートポイントを確認、100ポイントか、まあそんなところだろう。
「ちょっと風呂をアップデートしてみたから見てくるね。」
「私も行くー」
「それは気になりますね」
「行く…」
アカネ、シンシア、シロは興味津々だ。じゃあ見に行くか。
浴場の中を覗いてみると、奥に見慣れない扉があった。
「あんな扉ありました?」
いや無かった、きっとあれが新しい施設だ。
四人で期待を込めて扉を開けると…
「うわっ、なんだこれどうなってんだ!?」
露天風呂だ、少し肌寒い気温だが湯気が立ち昇る石で囲った風呂があった。
「ここ外?」
いやシロさん、ここは地下だ。外なワケない。
「満点の星空…素敵ねぇ…」
「いやこれある程度行くと壁があるよ!室内なのは確かみたい」
アカネちゃんは風呂の周りを調べて見えない壁を発見した。
しかしこの風といい、まるっきり外だ。つまり外の雰囲気の室内?風呂から30メートルほど離れると見えない壁があるようだ。
「こんな満天の星空の下で風呂にはいれるの!?すごいよこれ!」
「ちょっと入る、ショウも入る?」
「いいですね、みんなで入りましょう」
とても魅力的な提案だけど遠慮しておくよ、なんかすごい恥ずかしい思いをすると思う、いや…する。
露天風呂か…温泉ではないがアレがしたいな…ロマンのアレ。
ステータスを開き日本酒を交換、とっくりとおちょこも交換。
桶を浮かべてお酒をチビチビやるアレ!やった事ないんだよね。みんな見た事はあるけどやった事ないよね。
みんなに僕の露天風呂のイメージを伝え、お酒を準備して風呂に行く、これは…大当たりだったかも。
「これは最高ですなぁ…星空を見上げて飲むこの酒、染み渡りますわい…」
シルバさん、似合いすぎだよね。なんかポスターみたいだよ。
「こんな楽しみ方は初めてだな…夜風も気持ちがいい」
カムイさんも気に入ったみたい。しかし筋肉すごいなこの人。
僕達はたわいもない話をしながら露天風呂を楽しむ。
なんか良いな…こういうの。
【女湯にて、シロ視点】
「うわぁ!何これ!本当に室内!?」
ホノカは周りを走り回り壁を確認している。
「その確認をするのにタオルも巻かないのはどうかと思うんだよね」
アカネが言うことも分かる。もし外だった場合全裸で走り回るのが頭がおかしい行為だ。
「室内なのは本当、魔法で確認したけど生物の気配が全く無い」
私は事前に生体反応を確認していた。ここは室内、星は瞬き風も気持ちいい室内、ショウの地下室は本当にすごい。
「ショウさんになら見られても良いんですけどね」
シンシアさんは女の私から見ても魅力的な身体をしている、私は…
自分の体を見てみる、胸は小さいし子供のような体型、ショウもシンシアさんやギルドのユキさんのような体型が好きなのかな…
ショウは優しくて魅力的だ、顔も良いが私はそんなに気にしない。
私が退屈にしているのを見てジグソーパズルを出してくれた。
私がホノカと仲直りしたいのを知ってオセロを出してくれた。
私は大魔道、魔法使いの最高峰、そんな私はいつもホノカの隣にいる無口な少女。
勇者のホノカは騒がしくて目立つ、余計存在感の無い私はあまり注目されない。
でもショウは私の事を見てくれて…一緒に遊んでくれる…いっぱい幸せをくれる…
こんな人今までいなかったな…
ショウがユキさんとデートに行くというのを知って私の胸はとても苦しくなった…
私はショウを…
「で、シロはどうなのよぉ、ショウの事気になってるんでしょ?」
「そうですよ!シロさんずっとショウさんの近くにいるし!」
「気になっちゃうわねぇ、実際のところどうなのかしら?」
私の考えてる事を読み取ったかのように三人がちょっかいを出してくる。
「ショウは一緒にいて楽しい、ただそれだけ」
私はそう答えた。そう、今はまだそれだけで私は幸せだ。
お風呂を上がるとショウとシルバさん、カムイさんはもう上がっていてビールを飲んでいる。
「いやぁ最高だったな!シロ?なんか嬉しそうだな、露天風呂気に入ったか?ご飯食べたら後でみんなでビリヤードでもするか!」
「シロさん、ワシはまた強くなったぞい、お相手願おうか」
「俺は遠慮しておこう、あれは難しすぎる…」
「じゃあまずご飯食べようよ!BARで食べよう!お酒飲みながら!」
賑やかになった、とても楽しい。今は居心地の良い地下室を楽しもう。
あとでオセロ誘ってみようかな…
そしてシロはにっこりと笑うのであった。
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