第23話 ビリヤード大会 呼び出し
現在地下室で仲間達と談笑中。
「いやぁあっけなかったね、なんかもうショウさん一人で魔王倒せるんじゃないの?」
アカネちゃんが言う通り四天王戦はあっさりと終結した。
あれだけ調子に乗っていたバビロンは僕が大砲のスイッチを押した瞬間に蒸発した。
急に二段階アップデートした大砲は大砲というかもうビームだった。イスカンダルあたりでも通用しそうだったな。
ビームはバビロンを消し飛ばしたあとに空に穴を開けて遥か彼方へ消えていったのだ。
「ショウの力があれば世界平和なんてすぐ。」
隣に座って僕にもたれかかるシロはそう呟く。
なんか近くない?でも良い香りが…
「シロさんずるいよー!私もショウさんと遊びたいのに!」
アカネちゃん?どうしたのなんか積極的になって。
まああのポンコツ神様のおかげでイケメンになったし、少しくらいこんな展開も良いと思うよ!
「本当にここのお風呂は素晴らしいですね、シャンプーも補充できたし、ショウさんありがとう。」
シンシアさんは久しぶりのお風呂で上機嫌だ。この人も色気がすごいんだよね。
カムイさんとシルバさんはビールを飲みながらビリヤードに夢中。
シルバさんの一人勝ち状態だ。あの爺さんやるな…あとで勝負してみよ。
そしてホノカは…シン君から貰った剣を見ている。
「ねぇこれかっこいいね!ちょっと頂戴!」
は?ミッドナイト・ノヴァを?ダメだよそれシン君との思い出の剣だもん。
「それは思い出の剣なんだ、あげられないよ。」
「でもこれ飾っとくには勿体無い、多分聖剣レベルだよ?」
でもダメだ。君これで肉とか切って食いそうだし。
面倒なのでパンチングマシーンを紹介しておいた。
数分ごねたがパンチングマシーンの存在が気になったのかマシンの前に移動し、大きく振りかぶって…とんでもない破裂音と共に的をぶち抜いた。
『15000kg!!!excellent!!」
…一応勇者だしな…
「ちょっとこれランキングの数字おかしくない?私って人類最強って言われてるのよ!?」
いや間違いなく人類では最強だよ。
「そのランキングの数字はオーガの親子と旅した時のヤツだよ。勝てるワケないと思うよ?単純な腕力なら」
名前もホノカとゴウケツじゃ差がありすぎる。
ホノカはオーガの名前を聞いて悔しいが納得したようだ。でもお前は間違いなく人類最強だよ。
「それでショウは誰とデートする予定だった?」
急だねシロさん、気になってましたか。
「そうそれ!誰?知ってる人!?」
アカネちゃんもですか、気になります?
「それはその…冒険者ギルドのユキさんだよ、ビリヤードで勝ったらデートって事になって…」
「あの人綺麗、大人の魅力。」
「あーユキさんかぁ、確かに綺麗だよね、でもビリヤードでってどう言う事?」
シロとアカネちゃんはビリヤードの件を詳しく聞き、数分後ビリヤード大会が開催された。
それぞれBARで好きな飲み物を持って集結。
仲良くなったもんだ。
「このビリヤード大会で優勝したらショウさんに好きな願いを一つ聞いて貰えます!」
いやアカネちゃん、限度はあるよ?
全員やる気満々だ。数が多いのでトーナメント形式となった。
厳正なくじ引きの結果一回戦はホノカとシロ、勇者パーティ対決だ。
「勝ったらあの剣貰うんだ!」
あの剣?僕がシンくんから貰ったミッドナイト・ノヴァの事?あげるワケねぇだろ、本当にデリカシーないなお前。
「勝ったらショウと…デートする、いっぱいオセロしていっぱいパズルする」
それのんびりして良いかも、シロ!頑張れ!ノンデリ女に負けるな!
結果はシロの圧勝、ホノカは力任せに打つだけで全くコントロールができていない、シロは確実に計算をしながらポケットにボールを落としていった。
「シロ強すぎるよー」
「ふふ、当然の結果」
よくやった!あとでオセロしような!
二回戦はシルバさんとシンシアさん。
どっちが強いんだ?シルバさんはさっきまでやってたけどシンシアさんってなんかこういうゲーム強そうなんだけど。
「ワシは勝ったら、そうじゃのう…何か旅が便利になる物が欲しいかのぉ…最近足腰が弱くなって長旅がきついんじゃ…」
切実なお願いだった。勝ったら何か乗り物でもあげよう。
「私は何か美容道具が欲しいわ、ショウさんなら化粧品とか良い物出してくれそうだしね。」
化粧品?良く分からないけど多分あるよ。
結果はシルバさんの勝ち、良い試合だったがシンシアさんの一回のファールが勝敗を分けた。
「運が良かったみたいじゃな」
「ちょっと力みすぎてしまいました…」
第三試合はアカネちゃんとカムイさんだ。
これはどっちが勝つか分からないけど…勝っても次で負けるのでは…
人数の都合上勝ったら決勝戦進出が決まる。でもなぁ…。
「勝ったらショウさんと町に買い物行ってー、晩御飯食べて…一緒に寝るんだ!」
おっとアカネちゃんそれは楽しそうじゃないか。是非勝ってくれ。
「勝ったら好きな食べ物と酒を出してもらおうかな、ここの飯はどこよりも美味い。」
別に勝たなくても出しますよ。期待してて下さいね。
勝負は泥試合になり結局カムイさんが勝った。
「いや、長引いたな…」
「私これセンスないかも…」
まあ時間かかったね…全然ボール落ちないんだもん…。
そして準決勝、シロとシルバさん。
事実上決勝戦みたいなもんだ。なんか不思議な組み合わせだな…爺さんと孫みたいな。
「負けない…」
「まあお手柔らかに頼むぞい」
勝負は白熱したものになった。
ボールを落とすのが難しいとなったらファールだけ避けて相手が落としにくい場所にボールを弾く、落とせる時は的確に落とす。
二人とも上手いなぁ…ちょっとかっこいい…
しかし勝ったのはシルバさん、どっちが勝ってもおかしくなかった。
「お爺さん、またやろう」
「そうじゃの、また遊んでおくれ」
なにか絆のような物が芽生えたようだ。この二人って相性いいかも知れない。
そして決勝戦はシルバさんとカムイさんだが案の定シルバさんが勝った。もう瞬殺だ。
「やっぱシルバ爺さんには勝てないな」
「そうじゃの、カムイは力みすぎじゃな」
優勝者はシルバさん、なにか旅が便利になる物が欲しいと言っていたな…
ここは奮発しよう。僕が10ポイントで交換したのは…
シルバさん、優勝の商品はこれです。
どこで使われてるのか不明な移動道具、セグウェイ!
体重を前にかけると進み、後ろにかけると止まる。
しかも自立するから場所もとらない!
もう古代のアーティファクトですとか言えば怪しまれないだろう?いや知らんけど。
「これはなんじゃ?乗り物か?」
僕はセグウェイに乗って移動して見せる。
「なんだこれ!すげぇ!」
「すごいわね、どうやって動いてるのかしら…」
「爺さんもこれで楽に旅できるな」
「すごぉい!ちょっと乗せてよ!」
「画期的、革命。」
みんな驚いてるな、良いよねこれ、誰も乗ってるの見た事ないけど。
シルバさんは緊張しながら乗り、数分でコツを掴んだようだ。
「これは快適じゃ!スピードも出るのぉ、馬と大差ないわい!」
みんなセグウェイが気に入ったようでシルバさんから借りて遊んでいる。なんか平和だなぁ。
是非人数分をと言われたがこんなもん乗ってたら体力が落ちそうだ。
僕はこれはシルバさん用の優勝商品だからと断った。
すると急にホノカが何か思い出したようだ。
「あ!忘れてた!今回の討伐のお礼がしたいって呼ばれてたんだった!ショウも来ないといけないわよ!」
えぇ、いいよ別に…
「誰に呼ばれたんだ?一応聞くけど」
「王様よ!明日の朝には王城に行きましょう!」
は?嫌なんだが?
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