第20話 BAR カクテル 真剣勝負?

遂に僕の作ったBARをお披露目だ。

絶対驚くと思う、そんな出来なんだ。


「ここです!ビリヤードができるBARを作ってみました!」

僕は自信満々に扉を開け放つ。


「おぉーすごいっす!大人の空間っす!」


「この音楽、なんでしょう、とても落ち着く…聞いた事のないような…」


「あそこに並んでるのお酒ですか…?あんなにたくさん…」

そうなんです、お酒なんです。ユキさん、飲む気になりましたか?


カウンターに座って貰い注文を聞く、気分はバーテンダーだ。

「見た事ないお酒ばかりだと思うので好みを教えて貰えればそれっぽいお酒出しますよ。」


「私は強いのが良いっす!少し甘かったりしたら最高っす!」

そんなノアちゃんにはテキーラサンライズ。

テキーラとオレンジジュース、赤いグレナデンシロップが入ったお酒だ。まあボタン押すだけなんだけど。


「なんすかこれ!赤いのが沈んでるっす!しかも…美味しいっす!こんな酒飲んだ事ないっす!」

日の出をイメージした情熱的な酒だよ、強いから気を付けてね。


「私はそうですねぇ、見た目が美しいお酒って飲んでみたいです。流石にないですかね?」

そんなあなたにチャイナブルー、ライチのお酒にグレープフルーツジュース、ブルーキュラソーで青色を付けた青い宝石のようなカクテルをマロンさんに。


「これがお酒…?綺麗な青色…いつまでも見ていられますわ…味もスッキリしていてとても美味しい…素敵なお酒…」

ライチってたまに食べると異常に美味しい。食べた事ないならなおさらだろう。


「あの…私は…」

ユキさん、みんな酔っ払ってるんだから気にしないで飲めば良いのに…。

僕はそんなユキさんにカクテルを出す。

オペレーター、白ワインをジンジャーエールで割り、レモンでアクセントを付けたカクテル。


「白ワインをジュースで割っているので酒精が弱いです。でも美味しいですよ。飲んでみてください。」


「私が白ワイン好きなの覚えててくれたんですね…」

いやそれはそう、あんだけ連呼されて忘れてたら逆にやばいよ。


ユキさんは一口飲むとそっとグラスを起き一言。

「美味しいです!ありがとうございます!」


良かった。みんな喜んでる。BAR作って良かった。

「次はもっと強いの飲みたいっす!」

「私もその白ワインのカクテル飲みたいわぁ」

「ショウさん、もう少しワインを多くしても大丈夫です!」


色々なカクテルを飲みながらサラミとカルパッチョを食べる三人、なんかペース早くない?大丈夫?


ノアちゃんがビリヤードやってみたいっす!と言うので四人でビリヤードをする事に。


「何か賭けましょうか、勝負事に賭けは付きものですもの」

マロンさん…大丈夫ですか?なんかもう泥酔の一歩手前みたいな顔してますけど。


「私は経験者ですからね!負けられないですよ!」

結局ワインのボトルを持っているユキさん。まあ楽しいなら何よりです。


「何賭けるっすか?じゃあイケメン冒険者と一日デート権をかけるっす!負けないっす!」

僕が勝ったらどうすんの?一人で町に繰り出してケーキとか食うの?


「そ、そんなのダメですー!」

ユキさん?急にどうしたん?


「なんすか?勝てば良いんすよ?」

「弱気ねぇ…そんな事で良いのかしら…」


「ぐぬぬ…」

出た、ユキさんのぐぬぬ!これ結構好き!


2本先取で勝ちという事になり少しの練習の後試合は開始された。


「面白いっすねぇこれ!」

「女の子の力でも結構飛ぶものねぇ。」


ノアちゃんとマロンさん上手いな、僕の練習の成果はあっさり無に帰す…結構練習したのに…


「負けられません!ここは負けられない!」

なんかユキさんが頑張ってくれると嬉しいな…


そして最終局面、全員1ポイントずつ取り、ここで勝負が決まる。

というところでファールする僕。残りはナインのみ、次はマロンさん。

これは決まったかも…なんかごめんねユキさん…そんな顔しないで…


ユキさんは球になにか呪術でも送っているのか?外れろ外れろと何か念を送っている。


しかしマロンさんが外しても次ノアちゃんだし…ユキさんまで回りそうにないよ。


「これで決まりね。」

マロンさんは絶好の場所からショットをして…

外した?本当に?


「やったぁ!私の念の力かも!」

やっぱり念だったの?他に何か隠してる事ない!?


残念がるマロンさんの次はノアちゃんだ。

「ここで終わりっす!いっぱい美味しい物食べさせて貰うっす!」


思い切り振り抜きナインはポケットに落ち、手玉も落ちた。ファールだ…

でもおかしいな、2人ともそんなに下手じゃないハズなんだけど…


やられたっす!というノアちゃん、そういう事か。

ユキさんは良い仲間を持ったね。


次のユキさんは難なくナインを落とす。

カコンと良い音をさせてポケットに吸い込まれたナインボール。ユキさんは飛び跳ねて喜び、僕の場所まで歩いてきた。


「あの…そういう事なので…その、いつにしますか?で、デート…」

可愛すぎる…

そんなユキさんを見てニヤニヤしている二人。

やっぱりワザとだったのか。


「えーと、明日休みなら明日出かけましょうか?急ですかね?」


「明日ですね!うん!大丈夫です!お昼くらいからにしましょう!」

色々準備あるのかな?

しかしデートか、ソワソワしてしまうな…。


そしてまだまだ夜は終わらない。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る