第13話 猫族 受付嬢 パジャマ

オークキングの討伐後、猫族の少女を拾った…


とりあえずヒール風呂に入れて傷を回復。

あとはベッドに寝かせて様子を見る。


僕は地下室を運転しながら様子を見守った。

夜中にはアルカリスの町に到着したがまだ起きないな。


しばらく様子を見ようとしていたのだが…疲れが出て僕は猫族の少女を見守りながら寝てしまった。


ペチペチ

僕は顔を叩かれて起こされた。


「ん?おお、元気になったか、身体は大丈夫?」


「助けてくれたにゃん?ここはどこにゃん、見た事ないものがいっぱいにゃん。」

語尾がにゃん!?本当に!?


僕は身体を起こして猫族に昨日の拾った時の事を話した。

「助かったにゃん、私の名前はタマ、できたら飲み物だけでも貰えないかにゃん?」

名前がタマ!?本当に!?無理してない!?


もう一連の流れでドリンクバー、トイレと風呂の使い方を説明し、タマはゴクゴクとスポーツドリンクを飲んでいる。


「甘いにゃん!これ美味しいにゃん!!」

黒髪に黒い耳、黒い尻尾、タマって白いイメージあるんだけど…なんかこう、海産物の名前の家族の…


とりあえずご飯作るからお風呂行っておいでとお風呂に行かせ、その間にメニューを考える。

子供っぽいし、カレー甘口だな。決まりだ。


カレーを作り終えるタイミングでタマが上がってきた。

ボサボサだった髪の毛はストンと落ちるようなストレートだ。美少女だなぁ、何歳くらいなんだろ。


「良い匂いだにゃあ、え?なんにゃこの色、明らかに…」


「それ以上は言っちゃダメだよ、まあ食べてみてよ、美味しいから。」


恐る恐る食べたタマだったがすぐにガツガツと食べ切ってしまった。

なんかブレイズのみんな思い出すなぁ…元気かな…


二皿ほどおかわりしたタマは満足そうに仰向けになっている、撫でたい…!しかしすごく関係性が悪くなる気がする。


「タマって何歳なの?あとなんであんな場所に倒れてたんだ?」


「ん?私は多分18歳くらいにゃん。倒れてた理由…と言われてもにゃあ…お腹空いてたからじゃないかにゃ?」

18歳!?よかった勝手に触らなくて!


「うーんとそうじゃなくて、なんで行き倒れるような状況になったの?家とかは?」


「ああ、そういう事かにゃ、黒猫族は18歳になったら3年くらい旅にでるにゃ、見聞を広めて帰って村に貢献するにゃん。それでこの快適な空間はどこの町にゃん?」


そういう事?なんか良いな、その感じ


「ここは僕のユニークスキルで作った地下室だよ。多分どこよりも快適だと思う」


「スキルにゃん!?すごいにゃん!どういう仕組みにゃん!?」


うーん、どう言う仕組みとか言われてもなぁ…僕にも分からないにゃん…

実際何がどうなってこんな空間が出来上がってるかなんて分からない。多分なにか神様的な力だろ。


「僕は冒険者ギルドに行くけど来る?見聞広げるんでしょ?」

とりあえず一人にしておくのも可哀想だし。


「冒険者!兄さん冒険者にゃん!?」


「兄さんじゃなくてショウで良いよ、僕は駆け出しのAランク冒険者だよ」


「駆け出しのAランク?なんかスッキリしないにゃん…」

そうだよね…僕もそう思うにゃん…


地上に出て冒険者ギルドに向かう僕達。

「本当に地下だったにゃん!!すごいにゃん!!」

まあそうだよね、慣れた僕ですらいつも思ってるよ。


ギルドに着き受付のユキさんにオークキング討伐の報告をする。


「…と、言う事でオーガの親子に助けてもらいました。」


「オーガですか?ショウさんはいつもメチャクチャですね…そしてその、後ろの女の子は…」

ユキさんはタマが気になるのか、可愛いもんね。


「途中で倒れてたところを拾ったんです。名前はタマです。」


「タマにゃん!よろしくにゃん!」


「宜しくお願いします。ギルドの受付のユキです。」

ユキさんって礼儀正しいし綺麗だし、なんかかっこいいよな。


「タマさんも冒険者登録しますか?聞いた感じだと色んな町に行くんですよね?登録しとくと便利ですよ?」


確かに、身分証明になるしな、そういえば冒険者以外は身分証どうやってんだろ?


「登録するにゃん!楽しそうにゃん!どんな仕事があるにゃん?」


「低ランクだとお使いとか子供の相手とかお掃除とかですかね、少しランクを上げると町の外で薬草の採取とかですね。」

なにそれ良いなぁ!オークキングとか倒さなくていいの?良いなぁ!


タマが登録している間にステータスチェック、幸せポイントはオークキングの一件で村人を地下に招いた事によって爆上がり、スキルポイントはもう500ポイントを超えている。


サウナをアクティブにしておこう。自分へのご褒美だ。


そうこうしていると登録が終わったみたいなのでタマとユキさんの元へ向かう。


「タマさんはDランクスタートですね、その歳で30レベルはすごいと思いますよ。」


「えへへ、私も冒険者にゃん!動いたらお腹すいたにゃん、カレー食べたいにゃん…」

そういえばもう昼か、じゃあ昼もカレーだな。


「かれぇ?ってなんですか?」

ユキさんは初めて聞く食べ物に興味があるようだ。


「カレーは色はちょっとアレだけど美味しいにゃん!飽きのこない味にゃん!」

色の事は言うなよ…避けられないんだよスパイスの関係で。


「例のユニークスキルですか…いいなぁ…」

ユキさんはボソっと呟いたが僕はちゃんと聞いてましたよ!


「良かったらユキさんも来ますか?仕事終わったら」

ちょっと急すぎたか?迷惑かな?


「い、良いんですか!行きます!えーと、今日は夕方には仕事終わります!そしたら行きます!!」

大丈夫だったみたい、すごい来るっぽい。


じゃあ夕方に迎えに来ますと言ってオークキングの報奨金を受け取りギルドを出た。

そして地下に戻りカレーを食べて町を散歩。

「ゆっくり見るといろんな店があるんだなぁ、僕は必要な物はポイントで交換できるから買い物した事ないんだよね。」


「あの地下室はすごいにゃん、もう少し楽しいものあったらもっと最高にゃん」

楽しいもの?あぁ娯楽か。

僕はたまにパンチングマシーンをするくらい…オセロもあるけどなぁ…何か交換するか。


喫茶店に入りステータスを確認、確か前に娯楽を見た事があって…これこれ、ビリヤード。

シンプルだし面白い、あの音も良いんだよね。

これアクティベートしとこう。


ん?これ配置も変えられるのか…部屋が広くなって自由度が上がった?それとも純粋にスキルレベルが上がった?良く分からない。


まあこの前の村で増設した広い部屋に置こう、あの部屋を娯楽部屋にしても良いかも。


「そろそろ夕方にゃん、ギルド行くにゃん!」

もうそんな時間か、じゃあユキさんを迎えにいこう。


ギルドに着くとユキさんが入り口で待っていた。

私服か、なんか新鮮だな。


「ユキさーん、お待たせしました!」

「お待たせにゃん!」


「私も今仕事終わったんですよ、丁度良かったです。」

僕達は路地裏に入り地下室に降りていった。

「ここが噂の…思っていたより広いというか、全く想像が及ばなかったと言うか…」

期待以上だったか、良かった。なんかガッカリされたら結構凹む。


タマは自分の家かのように風呂やトイレを案内していた。

そういえばいつまでいるんだろ?まぁ今は居てくれないとユキさんと密室で二人きりに…流石にちょっと気まずい。



「あ、あの!お風呂入って良いですか!ブレイズの皆さんが話してるのを聞いて一度入ってみたくて!あとその…ぱじゃまっていうのも…」


「タマも入るにゃん!!一緒に洗いっこするにゃん!」

なにそれ!?僕も一緒に入りたいにゃん…


「好きに入って貰っていいですよ、パジャマも準備して…いや、ちょっと待って下さい。」

僕はステータスを開き衣類を見る。


あ!やっぱ増えてる!前までTシャツとハーフパンツだけだったのに色々増えてる!

何が似合うかな…これかな、シルクの肌触りがいいヤツ。10ポイントは前までは痛かったけど今なら安いもんだ。


僕は二人分を交換して渡した。

「なんにゃこれ!スベスベにゃん!」


「これは…王族でもこんな生地の服着ないのに…寝る時の服だなんて…ありがとうございます!大事にしますね!」


二人は笑顔でお風呂に入っていく。


「あ!すみません!お酒って飲みますか!?」

夕飯のレシピに関わってくる重要な事だ。


「は、はい!嗜む程度には。」

「タマは飲めないにゃん!無理にゃん」


なるほど、なんかサッパリしたの作ろうかな。

タマはともかくユキさんはあまり肉!って感じじゃないような。


カルパッチョとかどう?なんかイメージ通りじゃない?

僕はささっと風呂に入り夕飯の準備をする。


しばらくしてシルクのパジャマの二人が風呂から上がってきた。

「この服すごいにゃん!なんかサワサワにゃん!」

サワサワ?なんか分からないけど超分かる。


「この服…すごい着心地です…私なんかが着ていて良いのでしょうか…」

そういったユキさんは凄まじい色気を放っている…

ユキさん、着痩せするタイプだったんですね…

ほんのり濡れた髪と火照った顔…ご馳走様です…

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