女性だけがスキルに目覚める世界で男なのにスキルに目覚めたと思ったらスキルのランクがFランクだった

中田の刀な鷹

第1話 目覚めたスキルがカスなんですけど

1895年。


 この世界に突然、異形の獣たちや伝承の中の怪異たちが襲いかかってきたらしい。


 そいつらはとても強く、人類側のどんな抵抗も意味がなかったようで次々に国が滅んでいったそうだ。


 では何故、俺と言う存在が生まれているのか。それはひとえに色んな国が滅ぶ中大日本帝国だけは滅びなかったからだ。


 では何故大日本帝国は滅びず生き残ったのだろうか。


 昔、嫌がる俺にこの話を3時間語りやがった姉は八百万の神々が総力を上げて戦ってくれたからだと言っていた。


 神々は国民を守るべく果敢に戦い、この事態を引き起こした元凶を封印することに成功したそうだ。


 しかし後に星獣せいじゅうと名付けられた異形の怪物たちは未だに健在でなんなら増え続けている。


 その星獣たちに対処するべく神々が作り出したのが『スキル』である。


 しかし何故かそのスキルに男性は目覚めることが出来ず、星獣と戦うのはもっぱら女性の役割になった。


 それで男がどうなったかと言うと…。


 昔武士道精神と言うものを宿していた侍たちの面影は全くと言っていい程無くなり…女に守ってもらうのは当たり前…自分たちは守られなければいけない等と宣いまくる奴らばっかりになってしまった。


 前の世界で言うところのツイフェ〇がこの世界の男のデフォルトである。終わってるね。


 ん?前の世界ってなんだって?前の世界は前の世界よ。俺が転生する前の世界。


 電車乗ろうとしたら誰かに突き落とされて…んで、迫ってきた電車に消し飛ばされてー…気がついたら転生してたんだよね、確か。あんま覚えてないけど。


 前の世界と相違点は多々あるけど周りのお陰…まぁあんま言いたくないけど姉のお陰で普通に生活することが出来てるんだよね。あんま言いたくないけど。


 話を戻そうか。何処まで話したっけなぁ…あぁそうそうツイフェ〇みてぇな奴らがデフォルトって話まで話したな。いやこれ以上話すことあんまねぇな。辞めようこの話。


 あーそうそうこの世界でもスマホとかはあったりする。原理は良く知らないがスキルで作っているらしい。便利だねースキルって。


 てかなんで今そんな事思い出してるんだって?


 それは俺が今スキル持ちを育成する学校に入学することが決まったからだな。


 いやほんと…うん。なんでなんだろうね…。




──昨日


「うーむやはり芥リバーさんの作品は面白いな。名前は違えどこの世界でも執筆してくれているのはありがたい。ところどころに女性蔑視発言があるのは最早慣れたな」


 そんな事を言いながら1ページ、また1ページと本を捲る。ベッドに寝転びながら本を読む…なんて理想的な休日なんだ喜びの涙が止まらないよ。


バァン!


「伊吹!私とクラブにダンシングしに行こう!」


バタン


 煩わしい鳴き声が聞こえた気がしたのでソッと扉を閉め本を読む作業に戻る。


 踊るのは好きだが今はそんな気分ではない。

そう…今は積んでいる本を消化したい気分なのだ。10冊は積んでるからさっさと読まねb


バァン!


「伊吹!私とクラブでダンシングしに行こう!」

「再放送?」

「伊吹!私とクラブでダンシングしに行こう!」

「はい選ばないと進まねぇRPGのNPCかよ」


 このやかましい春夏秋冬へそ出しパンクコーデ女は残念なことに俺の姉の篠宮しのみや天華てんかその人である。


 俺はその弟の「伊吹!私とクラブでダンシングしに行かないか!」…篠宮伊吹しのみやいぶきと言う者なんだが…ほんとにやかましいなこの人。


「姉ちゃん」

「どうした伊吹!クラブか!?」

「うんクラブは行くから静かにしてくれない?」

「分かった!!!」

「全然分かってねぇじゃねぇか」


 恩は感じてるし尊敬する所もあるけどやっぱやかましいんだよなこの人。


「何時から行くの?」

「無論今からだ!」

「今からかぁ…いや行く。行くから叫ぶ準備しないで近所迷惑になっちゃうから。…てかまたその仮面付けてくの?クラブに?」

「いやだって恥ずかしいだろ…」

「姉ちゃんの恥ずかしがる基準が分からんよ俺には」


 そんなやかましい姉ちゃんは変な方向の恥ずかしがり屋であり、何故か素顔を見られることを異常に恥ずかしがる。その点は割と普通じゃないか?となるが何故かそれでマスクとかじゃなくて仮面を被るんだよなこの人。


 しかもおかめの仮面。


 その方が恥ずかしいんよ普通。

めちゃくちゃ怖いし。


 家でもそんなんだから夜は本当に心臓に悪い。この前なんて深夜にラーメン食おうと思って台所に行ったら姉ちゃんが立っててびっくりしてぶん殴っちゃったし。

機嫌直してもらうのに5日かかった。


 外せばいいのになぁ…仮面。普通に姉ちゃん美人だし隠す必要も無いと思うんだけど。


 まぁこれこの前言ったら変な声上げて部屋にこもっちゃったんだけども。なんでなん?


 そんなこんなで身支度を整えてクラブに向かい俺と姉ちゃんは踊りあかした。


 この世界のクラブなんて男は滅多に近づかない為、初見の客には良く驚かれるがそれ以外の客は最早俺の姿は見慣れてるので気にすることは無い。


 姉ちゃんに誘われて週に3回は来てるからなー。最早常連である。多分。知らんけど。


 その後は一緒に帰路につきながら色んな雑談をしつつ帰った。


 途中で姉ちゃんから明日楽しみだなとか急に言われたけどなんかあったかな明日。

年に一度行われるスキル検査ってのはあるけど男は一応受けるだけでスキルなんて持ってるわけないし…うーん分からん。






 とか思ってたら検査で何故かスキルに目覚めてるのが発覚してこんな状況よ。

人生って何が起こるか分からんもんだね。


 検査官のあの驚愕した顔…額縁に入れて飾りたいぐらいには芸術的だったなぁ。爆笑しちゃったもん俺。すんげぇ睨まれたけど最早そんなん気にならないくらい面白かった。


 まぁその後スキルがあまりにもザコすぎて笑い返されたんだけども。

大爆笑だったよ試験官。


 そんな、検査官に大爆笑された俺に目覚めたスキルは【視力強化】である。うーん…弱い。えっ俺このスキルで化け物と戦わなあかんの?きつくない?ほぼ素の体じゃん。


 いや身体能力は前世からバグかってくらいにはあるよ?でもキツくない?怪物と戦うんでしょ?


 まぁそんなどうしようもない嘆きは置いておいて説明を聞くと、どうやらスキルランクは下からE、D、C、B、A、Sと続き例外としてEXがあるらしい。


 ふむふむむむむ…?いや俺Fランクって書いてあるんだけど?


 スキルを持ってるものが触れるとスキル名とスキルランクを出力してくれるらしい紙にはでかでかとFと書かれている。


 初めて見ましたがスキルの名前的にもFランクで間違いなさそうですね…Eよりも下があったとは…と検査官も言っていた。クソが。


 辞めようよスキルに目覚めたなら強制で戦わなあかんとか言うあのクソ法律。


 試験管の人に「ギフトに目覚めたから戦え?俺男なんですけど…」って言っても規則なんでって申し訳なさそうに断られたし…やっぱツイフェ〇構文は駄目だわ。


 駄々はこねまくったけど結局スキル持ちが通わされる学校に入学することになったし。


 お先が真っ暗すぎるねぇ。ほんと。


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読みにくかったり分かりにくい箇所あれば教えてください。


死ぬ程モチベになるので感想や♡や星無限に下さい。

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