白城

海星

第1話 ここにいていい?

「仕事あんでしょ?いいよ、戻って。」

「別に仕事っていう仕事は無いよ。」

「サボり?」

「学生じゃないんだから。」

「俺の世話するのが仕事?」

「あーそれはあるかも。」


白い城の白い空間。

白いソファで膝枕をしてくれている白いスーツの女性が笑う。


「…なぁ瑠花。」

「なに?」

「瑠花は髪、白にしないの?」

「白かぁ…。悪くはないかな。」

「でもいい。その(ピンク)のままでいい。」


「…瑠花さん。」


瑠花の頬に下から手を伸ばす。


「不思議。あなたが『ひと』に見える。」

「俺は安全よ?」

「どこがよ。」

「ここ。」

「あんたのそこが一番信用なんないの。」


そんな冗談を吐きあって、僕から瑠花にキスした。


「瑠花…」

「なに?」

「…俺、ここにいていい?」

「いいけど、そんなに気に入った?」

「…姐さんとこにいたい。」

「可愛くなったね。」

「…瑠花さんならわかるでしょ?」

「なんとなくね。」

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