〜11〜ステラおばちゃんのヤバさを理解する。

おばちゃんに貰った封筒を持ってギルドに向かう事になった。

ギルドっていうのは依頼者との仲介業者のようなもので、そこでクエストを受けられたり素材を換金できたりする場所なんだとか。(ゆっくり情報)


「そんなことができる場所ってことは混んでそうだな……」

少し歩いていると、ギルドと書かれた看板を掛けてある店に着いた。


他よりも大きな家で、そこではプレイヤーやNPCが行き来していた。

中に入ってみると、奥に受付があってそこには強そうな人たちが並んでいた。


横を見れば大きなボードがあり、クエストをそこから受注するのだろうと見当がつく。

反対側には酒場のようになっていて、異世界ならではの大胆な料理やエールを飲む人たちがいた。


「ここが、ギルドか……! 大きいし広いな」



紹介状を渡すのは誰なんだろう……? 一旦受付の人に聞いてみるか。

並んでおいて待っていると僕の番になった。


「今日はどのようなご用件で?」

受付は男性が担当して、メガネをかけている。

いかにも知的に見えるその姿がこの後大きく変わるとは思わなかった。


「これを渡せって言われたんですけど……」


「ッ!?!? 少々お待ちください! ……ギルド長!! 大変です!!」

その封筒をみるや否や目を丸くして驚くギルド職員さん。

すぐさまバックヤードに行き、ギルド長なる人を呼びに行った。


周りがザワザワとし始めこの封筒のヤバさに気がつき始める。

でも、これはチャンスでもある! 有名になれるチャンス!


戻ってきたギルド職員さんに奥に通され、高級感漂う客間に連れられた。

本当にあのおばちゃんは何者なんだ??

ここまで丁寧な対応を取られるって結構偉い方だったりするのかな……?


「……そんなまさか。初期リスで薬草売ってるおばちゃんがお偉いさんなんて事ない……し。……大丈夫だよね?」



そんなことを考えているとドアがノックされる。

「ギルド長をお連れしました」


そう言ってドアが開かれる。入ってきたのは強面のおじちゃん。


筋肉で服はパンパンに膨れ上がり、今から殺されるのかというくらい僕を見つめてくる。

何か疑われているのか、ペタペタと体を触り始め何事もなかったかのように目の前のソファーに座る。


「君、作ったポーションを見せてもらえるかい?」

「あ、はい。これです」


ポーションを見せてみると、何度も確認するかのように慎重に見ている。

なんとも言えないこの空気感が僕を緊張させる。


「……合格だ」

「……? はい??」


「私が売ってやろう。婆さんから事情は聞いてるんだろ?」

なんの話をこと人は言ってるんだ??

婆さんってステラおばちゃんのことだよね?


「……はぁ、その様子だと聞いてないな。いいか、説明するぞ」

溜め息を吐いたのち、話を始める。



この人はギルド長のガルスさん。

ステラおばちゃんは薬学のスペシャリストらしく、あのように才能ある人々をスカウトしてるんだとか。


そしてたまたま僕がお眼鏡にかかったらしく、紹介状を持って来させたらしい。

ガルスさんは僕のポーションを買い取ってくれるんだとか。

「ポーションひとつで大袈裟な……」


「お前は何も分かってない。裏職業の輩が作るものは通常の物を遥かに超えた性能になるんだ。そんな物を作れる人材は数少ないから囲って育てているんだよ」


おばちゃんにも同じようなことを言われたな。

「一応聞くが職業は?」


「メイン職業が『料理人』でサブ職業が『料理人』です」

「なるほど、料理人の裏職業と通常を掛け持ちか……。この効果量にも納得がいくな」

そして少しばかり話をしてこのガルスさんがどんな人かは分かった。


あのステラおばちゃんに色々振り回されているらしく、毎日が慌ただしいんだとか。

ガルスさんは冒険者だったらしく、ステラおばちゃんが才能を見出しこのギルド長になるまでになったんだとか。

現役時代は強かったらしくEからSの冒険者ランクがあるうちのSランクだったらしい。


すげー。(小並感)


最高位ってことは歴戦の猛者なんだろうなぁ……。

でも僕は戦わないから強いかはわからないけど。


「まぁ、売れるものが出来たら受付にでも渡してくれ」

「わかりました、また来ますね」


「おう、気をつけて帰れよ」

一旦ここは帰って買い物とかをしよう。

これ以上この人を引き止めるわけにもいかないし。



一回ギルドでステータスとマーケットだけ見ておこう。


僕は手をスライドさせてステータスをまず見てみることに。


――――――――――――――――――

ハラミ (男) LV9 HP52(52) MP52(52)


メイン職業:料理人裏 サブ職業:料理人


 STR:28  VIT:28

 DEX:28  AGI:28

 INT:28   MND:28

 LUK:78  CRI:48


スキル:料理の基本、料理の心、料理の心

    料理鑑定、料理鑑定、料理複製、

    料理複製

称号:裏の職業人、アイからの祝福、ポーションマスター・改、

ステラのお気に入り、

――――――――――――――――――


レベルも2上がってるし、新しい称号も貰えた。

ポーションマスターはなんか進化したみたいだ、作った量で変わるのかな……?

――――――――――――

ポーションマスター・改 Aレア


ポーションを極めた人が貰える。

ポーションの質を大きく上げる。

※ポーションの質 30%up

――――――――――――

――――――――――――

ステラのお気に入り レア


ステラから気に入られた証。

経験値に補正がかかる。

※取得経験値20%up

――――――――――――


取得経験値が上がるのは何気に嬉しい。

レベルが上がるとMP全回復できるし、頑張ってる感じが出るから次も頑張ろうってなる。


だけど必要経験値がこれからはもっと上がるだろうし、大変だなぁ。

「一旦ログアウトしてゆっくりの動画でもみるか、情報も足りないし」




そう思いメニューからログアウトを押す。

情報はなによりも重要だからね。


==========

読んでいただきありがとうございます。


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