〜7〜ポーションを作ってレベルアップ!!
路地裏を進んでいると階段や小さな小川が流れていることがある。
隣の家とロープで結んで物干し竿にしたり、井戸があったり。
そんな少しだけの生活感が垣間見えるのがとても面白い。
こういうヨーロッパ系には行ったことがあるが、そのどれにも当てはまらない新しい建築物。
見ていてうっとりする。
「だけど今はポーションを作る為にいい場所を探さないと」
そう意気込み進んでいくと、少し開けた場所に出た。
円形状に広がっていて、中心に何かの像がある。
女の人が草冠を付けてて布の服を着ている。なにか神聖な女神様的な人かな……?
一応一礼だけしておこう。
ペコリとお辞儀をして、この場所の端っこで作ることにした。
ここなら誰にも邪魔されないし、なんか清々しい気分になるからね。
「『キッチン小』を使うを押してみるか……多分出てくるでしょ」
ポチッと押してみると目の前にキッチンが出てきた。
IHのようなものとシンクがついているだけの簡素なキッチン。
材質は石材のようなもので、押すとすぐに移動させることができた。
意外にもこのキッチンは軽いようだ。
普通のキッチンと違う点はシンクの近くに宝石が付いていることくらい。
それに触れてみるとウインドウで、『魔力を注ぎますか?』と出てきた。ここから魔力を注いで動かすってことか……。
「よし、作ってみるか!」
腕をまくり、料理セットと瓶、薬草類を出す。
料理セットは鍋やフライパンといったものから、木のお皿フォークにスプーン、木ベラに菜箸など必要なものが一通り揃っていた。
そしてキッチンに魔力を注いでみると何かが抜けた感覚を覚えたのち、キッチンがポワポワとし始める。
起動ができたか試すついでにシンクで水を出して手を洗ってみる。
蛇口を捻ると水が出てきた。冷たくていい水だ。
透明で本当に、今地下水から引いてきた水みたいだった。
「まずはこの水を沸騰させておこう、その間に薬草を潰しておけばいいかな」
鍋に水をいれ強火で沸騰させる。
沸騰を待つ間に追加でおばちゃんからもらった瓶と薬草、すり鉢を用意する。
すり鉢で、薬草をゴリゴリと潰して【料理の心裏】で魔力を注ぐ。
これであとは沸騰するのを待つのみ。
「……この水に魔力を注いだらどうなるんだろう?」
少し気になってしまった。
薬草に魔力を注げるのなら水にもできるはず……ということで魔力を5ポイントほど使ってみる。
初めて作ったポーションで5ポイント。キッチンの起動に5ポイント、薬草と水にそれぞれ5ポイントずつ。
全消費したかと思ったが、ここに来るまでの時間で多少回復したからまだ少しは使える。
そして魔力を注いだ水と、すり潰した薬草を混ぜる。
そしてできた緑色のポーションを瓶に分けて……完成!!
するとファンファーレが鳴り、レベルアップを告げる。
後で見ておこう。
それよりも今回のポーションは、一度に5個くらいの量を作ったけど大丈夫そうだ。
瓶に蓋をしたら色が紫色に変わってしまった。完成するとダメなのかな……?
やはり毒々しいのだが、今回は前回よりも濃い気がする。
前回より黒くなっているというか、なんというか。
魔力の量によって濃さが変わるのかなぁ?
「まぁ今後に要検証だね」
レベルアップを確認しておこうか。
ステータスを見てみると多少の変化があった。
――――――――――――――――――
ハラミ (男) LV2 HP24(24) MP24(24)
メイン職業:料理人裏 サブ職業:料理人
STR:12 VIT:12
DEX:12 AGI:12
INT:12 MND:12
LUK:62 CRI:32
スキル:料理の基本、料理の心、料理の心裏、
料理鑑定、料理鑑定裏
称号:裏の職業人、アイからの祝福
――――――――――――――――――
レベルが上がったからかMPが全回復していた。
マナポーションをグイッと飲んでMPを回復させる必要がなくなったな。
全体的に2ずつ上がっているみたいだ。
確かINTの二倍がMPに、 VITの二倍がHPに直結するはず。
まぁ人種によって上がり方が変わるからステータスは、ばらつきがあるらしいけどね。
僕には無縁の話だけども。
この数値は固定じゃなくて、魔法についていろいろと勉強をしてからレベルアップするとINTが少し高くなったりすることもあるらしい。
まだゆっくり達が言うには検証がまだ必要だから詳しくは分からないんだとか。
難しいなぁこういう話は……検証班はガンバって欲しいね。
「まぁ、これをいっぱい売って有名になって、また有名人になるぞ……!!」
有名人に戻ることを目標に、ポーション作りを再開するのだった。
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