第15話
「何? 何が起こったの?」
洞窟を震わせる謎の咆哮にメディアは困惑した。
ああー、まずいかもね
でっかいやつがあばれるよー、でっかいやつがあばれるよー
天使さまが騒いでいるということはきっと大変な事が起きたのだろう。
「で、伝令! 伝令!」
ほら、とメディアは内心で確信を得ながら耳をそばだてる。
「緊急事態です!! 今回導入された対集団審問兵装である、ファリスクの金の雄牛が謎の暴走を始めています!! 至急応援を願います!!」
悪夢の光景であった。
体内から炎の熱を噴出させた、巨大な金の雄牛が審問兵達をしこたま貪っているのである。
元々は、この地での邪教徒の数があまりにも多かった為に、自ら動いて邪教徒を捕食し、体内の業火にて人間の灰を大量に生み出すという、錬金術師達が開発した教会の秘密兵装なのである。
おお、それが何ということか、血を求めるかの様に怒り狂い、兵達を捕食しては、悲鳴と絶叫が火と混ざり合いながら反芻を行っているではないか!
兵達は槍を突き出し、矢を放つが、金の皮膚には痒みさえ与えられず、居場所を知らせた兵達がまた一団、と喰われていく!
「一体どうすれば!?」
トウィートは頭を抱える以外に出来なかった。
そうこうしている内に味方の数は刻一刻と減っていく。
「トウィート!」
声の方を見ると、ガイストとメディアが駆け寄ってきた。
「大丈夫か!? ライルとボレイヌは来ていないのか? あいつら一体何処に…」
安心と不安、対処の分からない事態に、胸中が黒く渦巻いていくトウィートだった。
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