第六話 いざ九州へ
転校前日、
宮崎には、
それはつまり、初代の
「ここが地元民に神武さんと呼ばれ親しまれている神宮か。大きいな……。神武帝こと
「なんだろう。恐れ多いこというの辞めてもらっていいですか?」
「急にうぜぇな」
「うぜぇって……それってあなたの感想ですよね」
「はいはい、おちょくって悪かったよ。
二人は神社での参拝を済ませた。そして、そこで待っていた日向分校校長と予定通りに合流した。
「君が
「こちらこそ、
「それでは、日向分校へ参りましょう。道中に
「え、遠いんですか?」
「もちろんです。ここは宮崎市です。そして日向分校があるのは、日向市ですよ」
「こんなことじゃ……羽目を外せないじゃないか……」
「やめとけ
つい心の声が、波長として広がってしまった。しかし校長には届いていなかった様で、笑顔のままだった。
翌日の朝、二人は遂に日向分校を訪れた。その勇壮で神々しい校舎を一目見た瞬間に、九州での旅が始まるのだと、
校長に連れられ中に入り、職員室へ入る。その時、職員室の扉からこちらを覗く、不気味な人がいた。
学生の服を身にまとっているが、その顔は異様な程に青白く、生気が感じられなかった。
「誰が半開きにしたんですか、ちゃんと閉めましょうね。さぁ
二人が中に入る時、扉の側にその存在はまだ居た。
なにかボソボソといっている様だったが、なにも聞き取れず、なにも感じ取れなかった。
校長から、教室に入るまでの流れが説明される。しかしあの怪異的な存在が頭から離れず、二人は話に集中できなかった。
すると説明を終えた校長が、教室へ向かう前に、こういい残した。
「彼はこの校舎周辺によくいる、ただの怪異の一人ですよ。妖怪とも物の怪ともいわれる存在です。気にしないでください」
九州は、呪いや神通力などの未解明の力が、関東よりも色濃く残っているとは聞いていた。しかしこんなものが目に見える形で存在しているとは、恐ろしい。
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