オズボーン・リミテッド
朱田空央
オズボーン・リミテッド
とある紛争地帯。仲間は居ても家族などいない。我らオズボーン・リミテッドは、民間人で編成された部隊である。俺はその第3部隊に所属していた。
――奇襲。銃声を上げてこちらへと進撃してくる。
「ちっ! もう来やがった!」
「ギリン軍め!」
ガトリング銃で応戦する。敵は怯むが、それも一瞬のこと。しばらくすれば撃ち合いが始まる。
「畜生! アーノルドが殺られた!」
「おい、ケビン! そっちは無事か!?」
「あぁ、なんとかな」
俺――ケビンは貧民街に生まれ落ちた。学才のなかった俺に選択肢などなく、民兵となった。アーノルド、ビート、アンバー、ライグとは最近出会ったばかりだった。
血の臭いが凄まじい戦場。入れ替わりの激しい人員。そんなこと、もう日常茶飯事だ。それでも明日を生きるため、一心不乱に戦う。なけなしの食事を、心待ちにしながら。
オズボーン・リミテッド 朱田空央 @sorao_akada
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