バトルイン東京
黒川衛次
第1話
2025年、一月二十日、「神」はようやくその姿を現した。おそらく人類が最も望まない形で、この日本に。
国会議事堂衆議院議場、沢山の議員の視線が一点に集まる。議長席の真上、その空中で一人の青年が浮遊していた。その青年は大きな声で、
「僕が神であることを証明するために、今から冥王星を破壊します!」
と言った。議員らが一斉にざわめく。居眠りをしていた議員もその喧騒具合に目を覚ました。
「なんであいつ浮いてんだ!」
「というか、いつ入ったんだ」
議員らは口々にそう言った。たちまち警備員達が、青年の元へと走り寄る。
「おい!何してんだ!早く降りろ!」
そんな警備員の注意も聞かず、青年は、
「たった今、冥王星を破壊しました!よろしければご確認ください!」
と言うと、下にいる警備員に向かって指先を合わせていった。すると、警備員らはばたばたと倒れた。
更に議場がざわめく。隣にいる議員と「誰だあいつは?」と互いに質問し合う者もいれば、青年に向かって野次を飛ばす者もいた。
しばらく青年は黙っていたが、議場の騒がしさが少し止んだタイミングでこう言い放った。
「今日から約三ヶ月後、つまり四月二十日に、僕は渋谷スクランブル交差点に一体の生き物を放ちます!皆さんには、その生き物を72時間以内に殺していただきたい!もし、殺すことが出来なければ、僕はこの地球を滅ぼします!」
議員達は皆、唖然とした。
バトルイン東京 黒川衛次 @kuroro087
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