第7話
家についてから少しして私は、やっぱりリベラの事とか、異世界の事がどうしても気になって気になって仕方がなかった。ちょっとくらいならリベラも教えてくれたりして…
「ねぇ、リベラ…異世界のこと、ちょっとだけで良いから聞かせてくれない?」
私は慎重に声をかけた。すると、リベラはちょっと目を細めて、何も言わずにじっと私を見つめた。
「…どうしてそんなに気になるの?」
リベラの声には少しだけ冷たい響きが混じっていた。それでも、私は諦めずに続けた。
「だって、リベラって異世界から来たんでしょ?それってすごく不思議なことだと思うし、すごく興味があるんだよね。」
リベラは少し考える素振りを見せてから、ゆっくりと口を開いた。
「ふーん…まぁ、そこまで言うなら、少しだけ話してあげる。」
私は目を輝かせながら頷いたけど、リベラの言葉には慎重さが感じられる。それは予想の範囲内、なんなら逆にそれがもっと知りたいという私の好奇心を刺激した。
「ありがとう、リベラ!」
リベラは軽くため息をつき、視線を少し外に向けた。
「…異世界?そうだね、この世界と大して変わらないんじゃない?人々は普通に暮らしていて、何も問題がないように”見える“世界だった。」
私はさらに身を乗り出して話を聞く。だが、リベラはすぐにその視線を避けるように顔を背けた。
「でも、裏では色々あったんだよ。例えば……人体実験とか、魔術とか。」
「人体実験⁉︎」
と、私は驚きの声を上げると、リベラはその反応を見て少しだけ不機嫌そうに顔をしかめた。
「まぁ、そんなこともあったよ。随分と前の話だけどね。」
リベラのその言葉に、私はもっと聞きたくなった。しかし、リベラは話を続けることはなく、どこか遠くを見つめていた。
「…でも、今更そんなことを話しても仕方ないから。」
私は口を閉ざし、リベラの言葉に少し肩を落とした。やっぱり彼女は、そんなに簡単には自分のことを話してくれないんだ。
「でも、ちょっとだけでも知りたかった…」
リベラは少しだけ冷たく笑いながら肩をすくめた。
「あはは…少なくとも今は、君に教える理由が無いからね。」
私はその言葉にしばらく黙っていたが、リベラが少しだけ振り返り、軽く言った。
「まぁ、あとは自分で調べてみるなんてどうかな?」
その言葉に、私はうなずくことしかできなかった。
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