権力と思惑が脅かす国民の暮らし

星咲 紗和(ほしざき さわ)

第1話 変化を恐れる国

日本は変化を嫌う国だとよく言われる。古くから続く文化や伝統を守ることに価値を見出すのは悪いことではない。しかし、時代が進み、社会の状況が大きく変わる中で、変化を恐れ続けることは、成長の停滞を招くだけではなく、未来への希望すら閉ざしてしまう危険を孕んでいる。


たとえば、日本の政治はどうだろうか。時代遅れの制度や慣習にしがみつき、責任の所在を曖昧にしながら、結局は問題を次世代に先送りしている。少子高齢化という日本最大の課題に直面しているにもかかわらず、具体的な解決策は見えないままだ。年功序列や古い価値観がいまだに支配する政治の場では、新しい考えや柔軟な対応が必要であることは誰の目にも明らかだが、変化の兆しはほとんど感じられない。


また、障害者への支援についても同じだ。法律や制度は整備されているように見えるが、その実態はどうだろうか。実際に支援を必要とする人たちが声を上げようとしても、その声は社会に届きにくい。街中に設置されたスロープやエレベーターを見て、「これで十分」と思う人もいるだろう。しかし、物理的なバリアを取り除いただけでは本当のバリアフリーにはならない。障害者の人権や生活に対する深い理解がなければ、制度はただの「飾り」に過ぎない。


さらに、私たちを取り巻く情報の環境にも疑問が残る。テレビや新聞、SNSで流れるニュースを見ていると、どれが真実でどれが誇張されたものなのか、判断が難しいことが多い。メディアの報道は事実を伝えるためのもののはずだが、実際には権力者やスポンサーの思惑が絡み、真実がねじ曲げられることも少なくない。


このような社会に生きる私たちは、どうすれば良いのだろうか。ただ変化を恐れ、流されるままに生きるのではなく、自分自身の目で状況を見極め、考え、行動することが求められているのではないだろうか。本当に必要なのは、勇気を持って変化に立ち向かい、新しい価値観を受け入れる姿勢だ。社会の仕組みや固定観念を疑い、声を上げることで、少しずつでも未来を変えることができるはずだ。


変化は確かに怖い。しかし、それを恐れて足を止めることこそが、最も大きなリスクなのではないかと私は思う。このエッセイを通じて、変化を恐れず未来を考える一歩を踏み出すためのきっかけを作りたい。

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