引っかかる
オレは、美桜さんに昨日のもろもろのお詫びを兼ねて、高タンパクのドリンクプレゼントをいたしました。
美桜さんは、たくさん着込んできたせいでノドがカラカラだったそうで、それはそれはお喜びしてございました。
美桜さんって、ほんといい子っぽい。
あんまり嬉しそうだから、オレはつい…また両手を広げたくなってしまう衝動にかられた。
でもさ…
そりゃ両手を広げると抱きついてきてくれるかもだけど…でもクラスの皆様から白い目で見られるようになったら大変だと思いグッと気持ちを抑えた。
みんな白目むいてるんだったらええけどね…って、それもこわいな…。
てかさ、オレ…そもそもしろめとかできんのよね…。
鏡みて練習したけど、できてるかな?って鏡みると、戻っちゃうしさ…
あと…自分のアホずらみて、何してんだよ…オレって情けなくなってあっという間に鏡しまって、特訓終了になるんよね…。
てか、そんなことどうでもいいんだ。
それよりも、大事なことは…
美桜さんとどこで以前お会いしたかってことなんよ。
高タンパクドリンクで、オレと美桜さんは乾杯して、うたげのスタートですワイ。
「あのさ、美桜さんってどこ幼稚園?」
と、幼少期からの探り。
「え、わたし保育園派〜」
っておっしゃった。
あー、オレ幼稚園派だったからな…。
違いますね。
よし、じゃあ気を取り直してと、
「小学校どこ出身?なんなら転校とか、したりしなかったりした?」
の質問に、
「小学校かー、その頃はアメリカに住んでたからなー」
なんて遠くを見つめ出した。
「えっ、あーユゥフロムアメリ…カぁ?」
って、思わず語尾がカラスの鳴き声風になってもうたやん!
オレが驚いていると美桜さんは、
「うそだよ〜、ジャパニーズスクールだよー。第三△△小学校だよ」
って教えてくれた。
「あー…、オレ〇〇小学校だわ。…そしてめっちゃ遠いやん。電車が必要ですね…。なら、どこでオレって美桜さんと遭遇してたんだろ?」
悩むオレに美桜さんは、
「塾は?どこだった?」
と、ナイス質問してくれた。
「あー、オレ塾行ってない。オンライン派」
「なるほどねー…」
…
思えばナイス質問でしたが、そもそもオレは塾行ってなかったんよ。
完全オンラインで先生とご対面だったし…。
「ならさ、もしかして…美桜さんって双子だったり⁇」
「えっ⁉︎あたり‼︎双子座〜」
と、いきなり正解!
って…違いますって。
「星座じゃないんよ…」
「あー、なら不正解だね。わたし単品だからさ。」
単品って…
言い方…
「となるとー…難しいな」
「ねー。」
なんて話していたら、そろそろホームルーム開幕のお時間です。
なのでいったんハーフタイムです。
で、ちょこちょこ質問するものの…接点なしで、ランチタイムをウェルカムした。
ウェルカムしなくてもやってくるのだけれどね。
まぁ、嬉しいウェルカムだよね。
嬉しくないウェルカムは、マンデイだかな?
だかな?ってどういう日本語だかな?
…
ま、いいです。
そんな意味不は、放っておきます。
しかし…どこで出会っているのか…わからん‼︎
そんなこんなで放課後さ。
「あー、気になるー…」
利人と下校中も、頭から美桜さんが離れません。
「それは、完全に恋だ」
なんでもかんでも恋にしたがる利人。
うーん…
果たしてそうなのだろうか?
何度も言うように、なんだかとても懐かしい感覚なんですよねー…。
「あ、ところで利人は好きな人できた?」
「えっ、オレはペットのモカちゃん一筋っすから!」
…あー、そうでしたね。
ペットのモカちゃんね。
…ってさ、ペット⁉︎
ペットというワードで脳内が動き出しました‼︎
ペット、ペット…
うーん…オレペット飼ってねー…。
前に飼ってたペットに似てるとか?
うーん…
ペット飼ったことないな…
でも、なにかが引っかかります。
のどに小骨が引っかかる感覚です…。
いや、違うな。
小骨が引っかかると、めっちゃ焦るし…水飲んだり米粒のかたまり飲んだり、大忙しだし、てんてこまいだもんな。
いまの感覚だと…
タートルネックがあと少しで着れるのに、頭の先の方でとまってて前がみえない感覚…てな感じかな。
思い出しそうで思い出せない…。
あー…変な感覚だよー。
…
続く。
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