第6話
シスターに冒険クエストに使える袋や棒がないか聞いてみた。
「あら、ヒロは冒険者むきスキルだったの?あなたは全然相談にこないし、しらないスキルだったからわからなかったわ。
えーと、孤児院ではそうゆう貸し出しはやっていないのよ。少しならほんとはあるんだけど、一部しか渡せないんじゃ喧嘩になるのよ。
冒険者になる子達は、最初はそのあたりの棒や石で攻撃して、ツタや枝を工夫して運んでいるみたいね。」
なるほど、ツタはロープみたいなものだ。薬草は束ねて、枝で背負子でも作ればいけるな。
「よし、リリー最初はツタと枝の確保だ。いくぞ?え、リリーがなんでそんなことするのかって?」
「リリーは植物魔法のスキルを授かったって聞いているわ。農家の就職はいいところを紹介できないけど、冒険者をやれるスキルじゃないでしょ?」
「わ、私は色々試しているところで、ヒロが冒険者クエストでも使えるかもしれないって・・・。」
「あら、そうなのヒロ? 植物魔法は農家向きっていわれているけど、ほんとからしら。まあヒロの手伝いでも冒険者ができるならいいのかしらね?
だけど、あぶないと思ったら他の職業探すのよ?いいわね。女の子なんだし。」
「シスターわかってるよ。G級クエストやってみて様子みるから。」
やはり女の子は心配になるよな。おれは適当になんとかなると思われてる感じだ。
いいのか?ま、いいか。そんなに信頼されてるとは思わなかったな。
・・・信頼だよな?
・・・・・
「ヒロ、ツタってこれぐらいでいい?」
今東の森の浅いところに二人でいる。薬草採取にしろ、スライム討伐にしろ、数をこなすと運ぶのが大変だ。
ちまちま運んでたらほんとに小遣いしか稼げない。
ツタってのは、細長い茎が長く長ーく伸びてる植物だ。知っている人は多いが、これで背負子を作るやつはあまりいないだろう。孤児院出身者くらいかね。
普通は紐やロープで作るか、金物か組子にしてつくる。
貧乏だからなぁ。これはこれで安くできてお得だとは思うがな。
しかし、ナイフもないのが辛いが。河原で探した黒曜石のとがった石が代わりだ。
縄文人かよ。いや、縄文人はよく考えたらすごいよな。あの土器なんて芸術だもんなー。ほんとは弥生人よりすごかった説あったしな。
さて、枝を適当な長さに折る。
ツタで縛る。
肩ひももツタで作る。
・・・。
背負ってみると背中に凸部が当たって痛かったり、左右傾いていたり、縛ったところがほどけそうになったり・・・。いろいろ手直ししてっと。
よし、二つできた。これとツタの紐でとりあえず輸送力のアップ完了だ。
木の棒は、とにかくその辺の枝を拾ってきた。石も手ごろなやつを・・・あ、袋がないわ。これはあと。
低価格やなぁ。ま、おれにはスキルもあるしな。
あれ、ノワールって何ができるんだっけ。
「リリー。ちょっとスキルの練習やってみるか。おれは自分のスキルを練習する。
え?もちろん見てていいけど、リリーも試してみてほしい事がある。」
「も、もちろんだよ。それで植物魔法で何ができるの?」
おれは植物魔法を持っていないから、まずはリリーに色々きいてみる。
不思議なもので、スキルを授かったらその使い方がなんとなくわかる。
その結果、ある程度やれそうな事を試してもらう。
「まず、例えばそこにツタがあるだろ?いや、切り取ったやつじゃなくて。
ん?切り取ったやつも試すか。
最初はそこの生えているツタにスキルを使って動かせるか試してみて。」
俺がいったことはリリーにはびっくりだったみたいだが、とにかくやってみる。
(うにょ、うにょ、うにょー)
「あは。なんか蛇みたいだな。いや、やっぱり動かせるんだな。これはいけそうだ。ま、スキルが成長しないとお遊びで終わるかもだけどな。」
「も、もう。ヒロ笑い事じゃないよぅ。でも、植物を成長させるスキルなのに、ツタみたいなものだったら動かせるんだね。
でも、動かしてどうするの?」
「そうだな。今はたいしたことないけど、練習したら多分もっと動かせるようになるかもだろ?
で、これはツタだけど、木の枝やその辺の低木を動かせたらとっさの盾になるぞ。
流石に絡みついて縛るのはむずかしいかな。いや、相手がとまっていたり気が付かなかったらありかもな。」
リリーはおぉー!といった感じで納得していた。参考はもちろんラノベのエルフの植物魔法だ。あれは植物を操って、縛る護る攻撃するってやれたからな。
「あと、薬草を採取するときに根を残すってことなんだが、あれば次が生えるようにってことだ。
採取したあとは、しばらくそこは採取できないけど、植物魔法で成長させたら次に採取できるのが早くなるだろ。」
リリーはさらに納得した感じで、色々試し始めた。
いや、おれは自分のスキルを検証しなくちゃ。
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