剣士編

第16話

「だいぶ見慣れない所まできましたね。」


「そうだね。次行く所は特殊な所だからね。」


「楽しみです!」


私達3人は極東の街ヤマトへ向かう事になった。

ライズで着た浴衣を着ている人が多く、閉鎖的と言われている街ヤマト


みな、銃や魔法は使わず刀だけで戦うらしい。


「いや〜どんな剣士に出会えますかね?」


「多分2人が思ってるような感じじゃないかもね!」


また良い仲間に出会えたら良いな。


.


.


.


「着きましたね!」


「うん、でも本当になんていうか。」


今までとはガラッと雰囲気が違い、咲いてる木々や建物の形も全然違かった。


「なんだか周りの視線が痛いような…」


「まあそれもそうだよな。」


ヤマトは他の街と比べて閉鎖的な街で立地的にも周りは山に囲まれている結果、あまり街の人以外が来る事がないため皆に怪しまれているらしい。


「そこの3人組の君たち〜」


「俺たちですか?」


「そうそう」


とある男が話しかけてきた。


「こんな街に君たちのような人が来るのは珍しいね。」


「俺たちはしがない冒険者なんだ。」


「わざわざこんな街までようこそ。俺の名前はヒデヤス。良かったらこの街を紹介しようか?」


「ありがとう、俺の名前はラモンズ。こっちは魔導士のアイリス、もう1人は盗賊のエレカだよ。」


「よろしくお願いします!」


「お、お、お願いします。」


ヒデヤスさんという武士が助けてくれた。


この街は剣士ではなく武士と呼ばれているらしい。


ヒデヤスさんに色々案内してもらった。

みんな話せば私達のことを歓迎してくれておもてなしをしてくれた。


ヒデヤスさんは実力はこの街でもトップクラスで皆んなが慕っている。


「凄くいい街だろ?」


「はい、私が今まで行ってきた街とは全然違いますね。」


「まあだからこそ結束力があったりするんだろうね。」


「いや、実は俺たちこの冒険の理由が…」


そう言って私達はこの街で剣士を探している事を説明した。


「そうなのか…いいな冒険、俺はまだ一度もこの街を出た事がないからな。」


「エレカ、この人が良い人でよかったね。」


「…。」


なんだかエレカが変だった。


「だ、誰か〜!!」


「泥棒よ!!」


街に泥棒が現れた。


「俺が止めよう。」


「スティール。」


「う、うわああああああ」


皆が追いかける中、エレカがスティールで泥棒から盗んだものを奪った。


「お、俺の…」


「いやいや、これはあんたのじゃないよ。」


「に、逃げるぞ〜」


そう言って泥棒は居なくなった。


「すいません。ありがとうございます。」


「凄いなこの嬢ちゃん!まるで忍術だなぁ!」


「ち、ちょっと〜みんな褒めすぎですよ〜」


すこし誇らしげなエレカが可愛かった。


「ヒデヤスさん、この人達を長の所に連れて行ったらどうだ?」


「い、いやそれは流石に彼らに…」


「何言ってんだい!こんな凄い人たちなんだから!!」


ヒデヤスさんの否定も虚しく私達はこの街の長に会える事になった。


「皆さん本当にありがとう!!」


この街は最初は怖い所だと思ったけど、みんな感謝の気持ちや、面倒見の良さとか優しさに溢れる街だった。


.


.


.


コンコン!


「長、今からお時間よろしいでしょうか?」


私は長の所へ来ていた。


「ヒデヤスよ、何用だ。」


「ヤマトに冒険者がいらしたんですが、スキルを使い、泥棒から盗んだものを回収して頂いた結果、街の民が是非長に会わせたいと。」


「そうかそうか、入りたまえ。」


「失礼します。」


私達は長のいる部屋に入った。


「君たちが街の泥棒から取り返してくれたのか。」


「はい。初めまして、冒険者のラモンズです。助けた者はこのエレカという盗賊スキルのある正義感の強い子です。」


「エレカよ、自分の街でもないのにわざわざ助けてくれてありがとう。」


「当たり前の事しただけですよ。」


またまた誇らしげなエレカだった。


「そして、彼女も冒険を共にする魔導士のアイリスです。」


「よ、よろしくお願い…」


「お主、まさか!」


「はい?」


「真っ白な髪にその顔つき…間違いない、モルガンに育てられた子だろう?」


「え、おじいちゃんを知ってるんですか?」


「フフッ知ってるも何も、アイリスがまた小さい頃一度会っているぞ。」


「え!!!」


まさか私が昔会ってるなんて。


「モルガンと私はね、第二次魔族大戦で共に戦った戦友なんだよ。最初は魔力を使う弱い者、武器で戦う弱い者だとお互い舐めて居たんだが次第に戦う上でこいつには負けたくないって気持ちでなよく稽古したりしてたんだよ。」


「そうなんですね。」


「いや、しかしアイリスも前会った時はもっとモルガンを嫌い反抗的な子だったのに大きくなったなぁ。」


は、恥ずかしい…


「これも何かの縁だな、しかし何故こんな遠い所に?」


「それが…」


私はこの旅の目的を話した。


「そうか、そうか。ムサシに会いに行くといい、彼は冒険とかには興味ないかもしれんが君達が戦っていく中で絶対に必要となる奴だろうからな。」


「しかし、長!」


ヒデヤスさんが何か言いたげだった。


「ヒデヤス、主はムサシの実力を見誤ってるぞ。」


「すいません。」


長の助言もあり明日の朝ヒデヤスさんやムサシさんの稽古場にお邪魔する事になった。


.


.


.


「いや、まさかアイリスが長と会った事あるなんてびっくりだな!」


「は、はい…しかもまだ捻くれてた頃なので恥ずかしいです。」


「まあ会ってみてだけど俺はヒデヤスを仲間にしても良いと思うんだ。」


「私も思いました!!」


「ウチは嫌だ。」


「えっ?」


「なんかきな臭いんだよなぁ。」


「そうですかね?」


エレカがなんだか変な感じだったのはこれが原因だったのかもしれない。


ー続くー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る