第14話

僕は、自分が自分だけじゃないと思っている。



簡単に言うと、本能的な自分と意識的な自分。


たぶん、もう何人かいる。


僕は、僕とそいつらを分けて考えている。


なぜなら、性格が合わないからだ。


しかも、能力が高いのはそっちの奴らだからタチが悪い。



気づきやすいところでいうと、字が違う。


職業上、手書きで字を書く機会が多い。


僕は元々メモをたくさん取るし、仕事現場では早く正確に書くことが求められる。


メモや野帳を見返してみると、何種類かの字体がある。


もちろん書き分けている自覚は無い。


「まぁ多少、字が違う事くらいあるだろう」、とも思うが、納得はしていない。



こういうことは、現実世界ではあまり言わない方がいいだろう。


でも、いつか筆跡鑑定に出してみたいと思っている。


思っているだけだけど。

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