星々とぶらり無双世界旅行 〜人の心は難しい〜
てんぬ
プロローグ:星の涙
夜空を見上げる者にとって、星は永遠の象徴だった。
無数の光が静かに輝き、大地を見守る。その姿は、いつの時代も変わらないと信じられていた。しかし、その夜、空の法則が破られた。
星が泣いたのだ。
大陸の外れ、リヴェランス公国の近海に浮かぶ孤島「セリューナ島」。人の住まぬその島に、一筋の光が降り注いだ。それは夜空を裂くような閃光であり、同時に、大地を穏やかに照らす星の涙でもあった。
光は島の中心、白い草原に降り立つ。風も動物もその異変を感じ、草木さえざわめく中、星の涙は純白の輝きを放ち続けた。
やがて光が収束する。
そこに現れたのは、一人の人の形をした存在だった。
その者は目を閉じ、静かに佇んでいた。白銀の髪は夜の光を吸い込み、星のように微かに輝いている。その瞳をまだ誰も見ることはない。ただ、そこに立つだけで、島全体に静けさが戻る。
星の涙は役目を終えたかのように消え去り、空は再び何事もなかったかのように瞬き始めた。
島は元の静寂を取り戻した。しかし、それは明らかに変化を孕んだ静寂だった。
島に宿る力がこの新しい存在を歓迎しているかのように、大地が微かに震え、風が優しく吹く。その者は、まだ何も語らず、ただ夜空を見上げていた。
星が何を思い、涙を流したのか。それを知る者は、この世界にはいない。いや、知る必要があるとさえ思っていないのかもしれない。
だが、この瞬間が、この世界に何をもたらすか――それは、これから紡がれる物語の始まりにすぎない。
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処女作です!浅学故至らない点も多いかと思いますが楽しく読んでいただければ幸いです。
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