第38話 他の班の状況
オランチアたちが攻め込んだ関東地区西部のグランドストリートはほぼ壊滅した。
私が実際に戦ったのはぶっちゃけあの泥くらいではあるけど……。
「そう言えば、キリカの班って今、どうなってるんかね?」
私はマスカリーナにちょっと尋ねてみた。
「う~ん。 私も彼女のことは良く分からないから電話で聞いてみれば?」
割と的確な回答……。
確かに言われてみればその通りではあるのだが……。
◇ ◇ ◇
キリカは関西地区のグランドストリートと戦っていた――
「ぐっ!? この魔獣、物凄く強い!!」
キリカは郊外にある森の中でオークの集団と戦っている。
組織のアジトはこの辺りにあるという情報ではあるのだが、組織のアジトの中には魔獣が沢山いて入り口に入った瞬間、すぐに敵に囲まれた。
モンスターハウスと言ったところか。
キリカの前にいるオークのような造形をした魔獣が拳でキリカを叩きつける。
キリカは必死に剣でガードを取ったが、その衝撃はガードでも防ぎ切れなかった。
「キリカ!! あの魔獣は巨体で攻撃の出も早いが多くの弱点を持っている。 奴の足を狙え!!」
同じ仲間ができたキリカ。
ピンチとは言え、周りの仲間も追い詰められながらも戦っているのだ。
私も弱音を吐いている場合ではない。集中して戦わねば……。
「この魔獣め……!!」
「安岩斬!!」
キリカの放つ魔動技はそのままオークの足を切り裂く。
「グオオオォォォォォォォォ……。」
オークの魔獣は足を切られると声を上げて倒れる。
私はそこを透かさずに止めを刺す。
これが一番手っ取り早いということだろう。
「しかし、この数は大変だ。」
オークは巨体であり、いくら組織の中だからと言っても、中々自由には動くには無理がある。 少しばかりの救いだ。
そして、オークの数は多いが一旦このダンジョンのようなアジトから抜け出せればなんとかなりそうだ。
「しかし、抜け出すのは大変そうだな。」
このアジトが地下にあるせいですぐに逃げ出そうと思っても、窓から飛び降りていくということもできない。
「くっそ……。 こんなに沢山の数に襲われたら逃げたくなるわ……。」
しかし、逃げると言っても尻尾を巻いて文字通り逃げ出すという訳ではなく、敵と距離を開けるという戦法で使う。
私は騎士であるため、本当は逃げるということは本当はしたくはない。
「やっぱり、逃げるとか考えるよりも今ここで討伐しなくては!!」
キリカは自分の持てる魔動技を全力で使い、仲間の応戦を始めるのである。
◇ ◇ ◇
「はあ……。 何とか終わった。」
キリカは何とかみんなとの協力で組織を潰すことができたので、討伐の依頼を終えて、そのまま実家に帰っていった。
そして、オランチアから電話がきたのでそのままそれに応答。
「オランチアどうした。 もう私は討伐完了したぞ。」
『あっ、やっぱりそっちも任務終わってたんだ。 関東地区南部の方もちょうど終わってこれから本部の方に侵攻するみたいだから、今度は一緒に戦おう!!』
「そうだな。 私も一緒に参加するわ。」
グランドストリートの支部は大体壊滅させたことができたので、そろそろこっちも本格的に反撃する番が来た。
――次の政府からの命令を待とう!!
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