第26話
「緋衣、近くにいる理由を作ればいい」
何を言っているか、すぐには理解できなかった。
「近くにいていいのは、兄妹だけじゃない。お前は、水野日向と同じ高校に通え」
そうすれば、近くで守れて安心するだろ?と口角を上げる目の前の男。
きっと、その仕草にどれだけの色気が含まれているか、本人は自覚してないんだろう。
「ばかだな〜、別にあたしはヒナ兄がいなくてもいいのに〜」
「嘘つけ」
あたしの嘘は貴方にすぐ見抜かれてしまう、これはいつものこと。
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