第12話

「おー、そりゃ光栄なことだ」





思ってもなさそうなことを言うイケメン。

ムカつくな。





「あ、そろそろ繁華街つくけど〜?」




「だな、降りる準備しとけよ」



「は〜い」





繁華街なんて兄とは無縁の場所だと思うんだけどな。

あ、でも。




あたしとも無縁の場所だと思ってた。

けれど、今はそうではなくて。




ってなると、兄とも無縁の場所ではないのかもしれないのか。




「達海がいてよかった」



「なに?素直にきもい」



「素直に殺意」







達海にはあたしの浅はかな考えはお見通し。

だから、きっと、ここに連れてこられた。








この後、何が待ち受けているかなんて知らずに。

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