第11話

「でも、兄は本当に優秀な奴だったよ、あたしと違ってね」




「ふーん。まあお前は優秀とは程遠いよな」





あっさり現実を突きつけてきやがるこの男。少しは慰めることができないのか。









「でも、お前は優秀だよ。“俺等”の中ではな」






また不敵に口角を上げる達海。

片手はハンドル。そして反対の手は





「なによ」





あたしの頭の上。






「んー?寂しいのかと思って」





なんでもお見通しのこの男に隠し事は通用しない。




でもね、





「あんた等がいるから寂しくないよ」





これは本心だよ。

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