美少女コンテスト
その日もパティたちはマイラの家に泊めてもらった。パティはマイラと一緒にベッドで寝て、デイジーはソファで寝ていた。
翌日の朝食でマイラがある提案をした。
「ねぇ、パティ。城下町の美少女コンテストに出てみない?」
「美少女、コンテスト?えっ、私が?!無理よ、私醜いから!」
パティは慌てて拒否した。すると目の前のマイラとデイジーの顔が怖くなった。
「何言ってるのよ、パティ!パティはすごい美少女なんだからね!」
「そうよ!パティはあたしの可愛い妹なんだから!醜いわけがないじゃない!」
パティがマイラとデイジーの剣幕に驚いていると、マイラがデイジーをキッとにらんで言った。
「ちょっとデイジー。パティが貴女の妹ってどういう事よ?」
「へへん、いいでしょう!パティはあたしの妹なのよ!」
「何それずるい!私もパティを妹にしたい!」
「残念でしたぁ。もうお姉ちゃんの席はうまってしまいましたぁ。マイラはパティのお母さんにでもなったら?」
「ちょっと!私はまだ未婚ですぅ。子供なんていないわ。デイジー、私にパティのお姉ちゃんをゆずりなさいよぉ。パティと最初に出会ったのは私なのよ!?」
「おあいにく様。あたしとパティは大きな困難を一緒に乗り越えて、姉妹の硬い絆で結ばれてるのよ!」
「そんなのずるい!」
「ずるくない!」
それまで仲良くおしゃべりをしていたマイラとデイジーが突然口論を始めた。パティは驚きのあまりあわあわしながら言った。
「わ、私。デイジーとマイラ、二人にお姉ちゃんになってもらいたいな!」
パティの言葉に、それまでいがみ合っていた二人が途端に笑顔になった。
「キャァ!嬉しい!じゃあ私もパティのお姉ちゃんよ!デイジー、あんたは私の一こ年下なんだから言う事聞きなさいよ!」
「へえへえ、お姉さま。あたしより年上だからおばさんね!」
「何ですってデイジー!もう一度言ってみなさいよ!私はぴちぴちの二十代なんだからね!」
「ええ、そうよ。あたしが二十九歳の時に、マイラは三十歳になるのよ」
「何よ!生意気!」
「へへん、生意気でけっこう!」
マイラとデイジーの言い合いは続き、パティにはもう一人お姉さんができ、なし崩しで美少女コンテストに出る事になった。
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