会議2
「パティ。じゃあ、俺の《バードアイ》も強化する事ができるのか?」
エリオはうわずった声でパティに言った。パティは大きくうなずいて答えた。
「はい、ピンキーが言っています。エリオさんの《バードアイ》に、見えない限界はないんだって。どんな遠くも、どんな厚い壁の向こうも、見通す事ができる魔法なんです」
パティは側で固まっているデイジーの手を取って言った。
「デイジーの《フラワー》だって、戦闘に不向きなんて事はないってチャーミーが言ってます。チャーミーは土魔法を使うけど、デイジーの魔法は植物魔法。どんな事だってできます」
「パティ。本当?あたしの魔法は戦いにも使えるの?」
「はい!デイジーはバラの花を出現させられるでしよ?」
デイジーはうなずいて地面に手をかざした。すると地面からスルスルとトゲのツルが伸びて真っ赤なバラが咲いた。パティとチャーミーは同時にうなずいた。
「デイジー。このバラのツタを自由に操って?そうすれば攻撃にも防御にも、敵の拘束にも使えるわ?」
「えっ?!バラを育てるんじゃなくて操るの?!難しいわ!」
「大丈夫。チャーミーが指導してくれる。通訳は私がするわ」
デイジーはコクリとうなずいた。デイジーの後ろにいたコジモがおずおずとパティに言った。
「ねぇ、パティ。僕の《コマンド》も敵に使う事できるかなぁ?」
「ええ、勿論です!コジモさんの魔法は、水魔法をもとにして派生した魔法なんだって、アクアが言ってます。コジモさんが、相手の動きを止める事ができるのは、その生物の中の水分を操って動きを止めているんです。だから人数なんて問題じゃありません。コジモさんが目視した相手たちの動きを一瞬で止める事だってできます」
パティは手のひらに乗せているアクアを、コジモの手のひらに乗せた。
「コジモさん。魔法のコツはアクアが教えてくれます。私が通訳します」
パティはマックスと共に、うなだれているトグサの前に立った。トグサはくたびれたような顔でパティに言った。
「パティ。私は《トゥルース》の強化なんてしたくないんだ」
「ええ、わかっています。トグサさんは、自分の
パティの横にいたマックスは、トグサの手に頬をすり寄せた。トグサはホッと息を吐いた。
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