高校に入学したら保健室の先生と同棲することになった
松柏
プロローグ
──初めてのキスは、血の味だった──。
「ねぇっ、透華くん……置いてかないで……」
彼女の涙が、頬に落ちてくる。
必死に返事をしようとするものの、ひゅうと息が漏れるだけで声にならない。
「お願い……」
ぎゅっと右手を握り込まれる。
しかし、愛しいそのぬくもりも、次第に遠ざかる────。
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