Hikaru

海星

第1話 大好きな人

―――――――――高級ホテルのラウンジ。


「…なぁ」

「ん?…」

「もう酔ってんのか。」

「うるせぇ。お前に酔ってんだよ」

「なんだそれ。」


光が俺の首筋を指先でなぞる…。


「んっ…」

「部屋戻るか?」

「お前…次第…」


「そ。ならいいや。」


光は手を離してまたグラスに口を付けた。


「…になりたい」

「あぁ?」

「グラスになりたい…」

「これか?」


光が酒の入ったグラスを揺らす。


「…うん」

「どうして。」


一切表情を変えない。つくづく思うが、悪いやつだ。


「…ズルい」

「なに?聞こえねーんだよ。」

「俺だって…光とキスしたい。。」

「……」


光は傍に置いていた部屋のカードを持って、グラスに半分残った酒を一気に飲み干して、無言で立ち上がってラウンジを出た。

僕は慌てて着いて行った。


そのまま奴は歩いてエレベーターに乗った。


「……」

「……」


「意地悪してごめんな、」


光は優しくキスしてくれた。


「許さない」


そう言うと、


「じゃあ、許してくれるまでお前がして欲しいことしてやる。」

「ほんと?」

「本当。」

「…じゃあ来て。」


部屋の階に着いたので僕が手を引いて光を部屋に連れ帰った。


そして、ベットの前で僕からキスした。


「…光、座れよ。」


大人しく光は従って目の前に座った。

それを見て僕は思い切り頬を叩いた。


そのまま胸ぐらを掴んだ…。


「…」


光は微笑んでいる。


僕はそのまま膝の上に乗って抱き着いた。


……光はそんな僕を強く抱き締めてくれた。


「光…大好きだよ?」

「俺もお前が好きだ。」

「…これ、要らない。」


僕はヤツの上の服を脱がして、僕も上を脱いで肌と肌になってかなり筋肉質な光にまた抱き着いた。


僕はこれが好き…。このままキスして、耳に噛み付いて、首にキスして、光の甘い声を聞くのがたまらなく好き。




…………最後は思い切り抱かれる。

そしてまた奴の腕の中で甘える。

本当にそれが幸せだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る