12'
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「あ。おはようございます、先輩」
「おはよう」
「昨日の花見、楽しかったっすね」
「途中からずっと、桜じゃなくてカード見てたけどね。みんな」
「今時っすね」
「いや絶対違うよ。
あ、建て替えてくれた分の領収書持ってきた?」
「うん、後で出す。
それよか、楽しかったですか?昨日」
「えぇ?さっき同意しなかったの、気に食わなかった?」
「今も同意してくんないやん。なんで?」
「総評:手放しで『楽しかった』とは言い難い」
「……ほな、行ったこと後悔しとんですか」
「良かったことなら、2個ある」
「え?」
「そのイチ、桜は綺麗だった。
そのニ、大富豪で神崎くんに勝てた」
「『そのサン、俺と一緒に買い出し行った』を忘れてますよ」
「それはランクインしてないのよ」
「えー」
「まあ……たまには外の景色を見るのも、悪くないかなって」
「結構楽しんでるやん」
「嫌なこともあったけどね」
「それは忘れるとして。
来月、何するか知ってます?」
「知らない。何?」
「[いちご狩り]らしいですよ」
「えっっっ!」
「いつも行ってるトコが、5月はちょい安くなるんやって。実行委員の人が言うてた」
「大好き」
「え」
「いちご!人生で一度は行ってみたかったんだよねぇ……!
ちょっと……いや、かなり楽しみカモ」
「……大丈夫。こんなベタな会話にドキマギするほど、俺は落ちぶれてない」
「何モソモソ言ってんの?朝礼始まるよ」
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