好きな寿司は稲荷寿司、マジで。

サンタク☆ロース

第1話

それは久しぶりの衝撃だった。


彼女を知ったのは2023年も暮れようとしていたある冬の日だった。


いつものように何気なくスマホをチェックしていたとき彼女は現れた。


それまでも覆面で歌うシンガーが流行りのように何人も出てきていたが、


彼女はそう・・なぜか何かが心に響く声だった。


僕は忘れないだろう、sunが初めて歌を聞かせてくれたあの時を。



2024年1月1日、


自然にはとても逆らえないことをあらためて知らされながら東京も新年を迎えた。


なんとなく浮かれない気分のまま、それでも世間は動き始めた。


でも僕の心はそれまでとは少し違っていた。


それは通勤電車で聞くsunの歌声があったからだった。


泣かす、おなかすく、フルコース・・?歌詞は言葉遊びが入ってんのかな。


ずいぶんと新しい歌を覚えることをしなくなっていたのに、歌詞を何回も眺めた。


電車の往復だけでなく、僕の部屋でもかなりの時間をsunが占めるようになっていた。













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