公開数分で70pv突破!「もうあなたといたくないの!」この妻は何を考えていたのだろうか……
沼津平成
#1 妻の疑惑
プルルルル、と妻のスマホが鳴った。
そういえば妻は最近何をやっているのだろう。
俺は特に何も考えず妻のスマホを開けた。
あ、メールが1件届いてる。メールはやめよう。
メールに新着が来た。俺はその文面が見えてしまった。
『エリナ、いつ会えばいい?』――オオキ トシユキ
*
さっきまでお風呂上がりでのぼせていた妻がいつの間にか服を着ていた。ホテルのような白いベッドの上に寝転がって競馬を見ていた。
俺は番組を変えてサッカーのワールドカップにした。特にサッカーが好きなわけではないが、面白い番組がなかったから。
妻がリモコンへ手を差し伸べる。俺はリモコンを遠い円卓の上に置いた。
「ちょっと、何するの……やめてよね」
暗い声をだしながら、妻が振り返った。そうか――エリナも四十か、と俺はつぶやく。
「なによ、四十になったらだめなわけ?」
エリナはむくれている。
「いっそのこと別れましょう?」
動画のように空間が一時停止した。――今までの俺だったら、ここで謝っていただろう。しかし、今、俺はエリナの秘密を知ってしまっている。――
「それ、わざとだろ?」
エリナが凍り付いた笑顔を見せた。汗がだらだら流れだす。
「……どういうことなの……まさか私のスマホ――」
そして妻はスマホに思い当たった。「あ……」
「勝手に見るなぁ!」妻の態度が豹変。「も、もうな……! お前とはいたくないんだよ! もうあなたとはいたくないんです!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます