不時着した宇宙人、【無双スキル】を手にした最強の転生者の『俺』と出会う。

@CH_wnlv2249

【1話】宇宙人フルトマ

「おおい、ぼーっとしてていいのかよ。今日小テストあんのに。」


『別に。』


「......そう、か。」



ここのクラスの奴が嫌い。学校の奴が。教師だって例外なく。

なんで意味のないことでいちいち話しかけて来る。

そのたびに心の奥底どこかでイライラしている自分も嫌い。



「なんだよな、あいつ....。せっかく友達がいなそうだから話しかけてやってんのに。『別に。』だって、おもしろくないわーほんとに。」


「それな、あいつなんか変だよな。友達が寄り付かないのはそーゆー理由もあるよな絶対。」



別に勉強ができないわけでもない。運動も。前に立って喋れないわけでもない。


別に関わんなくていいんだよ。関わりたくなくて無理に話しかけてこないでよ。


俺は貴方たちの求める、欲しい反応ができないから。


俺の反応を文句言うなら最初から関わって来ないで欲しかったなぁ。





今日も例外なく、何もしないで何も得ずに学校の一日が終わった。





もう、やめたいなぁ。



ママに言ったら怒られちゃうかな。


先生に言ったら、ホームルームで言われて皆に広まっちゃうかな。


だったら最初から、誰にも言わないで勝手にやめよう。



皆、お前の人生なんだからっていつも言ってるしね。






俺は何も考えずに、学校の屋上の手すりから飛び降りた。




■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




う゛っ........、気持ち悪い。



『おっ、おええええっ』



目眩がする。視界は青白くただ吐き気を催している。

 

下を目掛けて勢いよく吐き出してしまった。


吐いたゲロの後味でまた吐きそうになる負のループに陥っていた。



「チョ.........苦しっ.....、臭いです。」



は...............



「聞こえてますか.......あの、これ以上は遠慮していただきたい.....。」






『イヤァァァァァァァ、ゲロが...俺のゲロが喋ったぁぁぁぁ!?!?』


 


俺のゲロはぺチョぺチョぷくぷくしながら声を出している。




「失礼だな......ゲロじゃねっすよ!」



そう言いながら、俺のゲロの中から1メートルくらいの小さいキモいのが出てきた。


頭はでかく、腕と足ともに逆三角のようなつくり。胴体は薄く肋骨が浮き出たキモいのが。



『は.........きっ.....きんも、てか臭ぇし.......。』



「それは貴方の吐瀉物を被ったからですよ!!!」




キモいのが甲高い声で訴えて来る。



『てかまて.........お前が濃すぎてそれ以前のことを忘れてた。ここ.....、ここどこだよ!!!!!』



「え?、ここのニンゲンじゃないんすか?てっきりアナタここの人かと。てことは貴方も宇宙人?」


『いや.....ニンゲンだけど.....。俺、日本人で..。』



「ニホンジン?ここ、アレデモント帝国ですよ?」



『アレデモント........帝国?なに、ドイツ村的な..?』



「私ももっと栄えた陸に着陸する予定だったんですけど、エンジンが破損してて不時着してしまいました。」



『は........転生?』



「まってください、エンジンが破損したってことは.......」


『転生したってことは.......』





『「帰れない............!?」』





■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



『待てよ、一旦落ち着こうゲロ君。』



「落ち着いてなんてイラレマスカ!!.......ジブン星に帰れなくなっちゃって!!」




『俺もだよ、俺も帰れないの。』




見渡す限りここは何もない森。


ありがたいことに水はある。


すぐそこに綺麗な川が流れていたのがせめてもの救い。 




『っていうか....宇宙人ってほんとにいたんだね。』


『名前とか...あんの?俺はリューガって言うんだけど......』



「自分はフルトマっていいます。自分たちからしたら貴方も宇宙人なんすけどね....?」




『....なにしきたの?ここに。』



「自分たち、この国の【英雄】っていう称号を得に来たんです。」


『英雄?』



「この国ではもともと、夜になると『魔獣』かでるんです。その魔獣を倒すために、この国には何人もの異能力....いわゆる特殊スキルというものをもっている人がいて、その人たちは魔獣のハンターとして生活しているんすよ。」



『すげぇ...俺が小説で見た話みたいだなまるで。』



「その魔獣ハンターの中でも化け物級にレベルが高いのが、【英雄】の称号を持つハンターなんです。ジブンは、自分たちの星での立ち位置を帰るために、英雄になりにきたんすよ。」


『以外と大変そうなんだな...』


『何というか、出会いの証で握手でもしとくか........』



「ですね.....。お願いします。」



ガシッ______




「ギャァァァァ」




握手をしたとたんに、宇宙人が焦げた。


宇宙人が、ちょっと焦げた。




「貴方..........異能力者っすよ!!?」




『...............え?』









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