わたしは何しに日本へ(21首)
いつもする手続きだけど手口って呼ばれていたな朝のニュースで
週末の予定を訊かれた瞬間にぜんぶの蟹が岩に引っ込む
この人の想定している山奥がどれほどなのか慎重に聞く
誘うため送ったメッセージの中に断るという語も混ぜてある
どれくらい勇気があればミニカーで足を轢くなと言えるだろうか
高齢者教室に来なくなる人のその後を知りたくない 秋になる
この人にいくらか借りている人のような喋り方をいつまでも
一日もあればあなたは東京へ行って帰ってくる人だろう
経験があるだけなのに経験があるって言ってしまったもんな
開放というさわやかな二文字に骨折が付くこと おそろしい
暗くても悪くないのに「明」の字をいない子供につけそうになる
呼び鈴の直後に解決したことを来た店員に言うまでの空気
犯人を知っているけど指摘する役は誰かにお願いしたい
ジョブズではなくてわたしが日本に生まれてしまって申し訳ない
コロッケを温めて寝る わたしって何しに日本に来たんだろう
泣き真似はすればするほど悲しいが笑っても笑ってもつまらない
弱くても良い国に生まれ直したい やっぱりなんでもない 五円玉
わたくしに言いたいことがあるのならもっとぼそぼそ言ってください
暗いのが悪いみたいに言われたら出ないところに出ないしかない
それらしい犯行予告が書けなくて怪盗になることは諦める
明日への扉が閉じてしまう前に 夜中に捨てに行く燃えるゴミ
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