雪に残る足跡
2017年11月21日、7時27分 -
またしても凍える朝。今日は11月21日、15歳の誕生日まであと4日だ。なぜこんなにも寒くなるのか理解できない。骨まで凍りつきそうだ。いつになったらこの寒さに慣れるのだろう。涙が目に浮かび、共有の部屋を見回すと、他の子供たちが眠っている。自分の両親はどんな人だろう。戻ってきて連れて行ってほしい。でも、そんなことは決して起こらないと分かっている。きっと僕はそれほど大切じゃなかったから、ここにいるのだろう。
寒さから逃れて横になっていたいけれど、そうもいかない。一日を始めなければ。凍った洗面台で顔を洗い、冷たい水で完全に目を覚ます。息が白い雲となって漂う。割れた鏡に近づくと、歪んだ自分の顔がかろうじて映る。真っ黒な髪が額に乱雑にかかり、深いコーヒー色の目を縁取っている。寝不足でできたクマがその下に暗く影を落としている。体はかなり細く、肌は少し青白い。顔立ちは細く繊細だ。
髪をなんとか整えようと指を通すが、無駄だと分かっている。それでも食堂に向かう前にできるだけ身だしなみを整える。食堂に入ると、他の子供たちの声が空間を満たし、食べ物の匂いが漂ってくる。
しかし、現実はいつも通り僕を打ちのめす。皿やボウルの中の食べ物はわずかで、子供たちの不安そうな表情は自分自身の空腹の反映のようだ。誰かが最後のパンをめぐって押し合いへし合いしている。争ってまで食べ物を手に入れたくはないが、そうしなければ空腹のままだ。
擦り切れた椅子に座り、乾いたパンの一片をつかみ、粗い感触を指で感じながら口に運ぶ。口内に広がる乾いた食感を、数切れの野菜が浮かぶだけの薄いお湯のようなスープで流し込む。
孤児院での教育は奇妙だ。冷たい教室で座り、戦争やあまり重要でないことについて先生の話を聞く。たまに心がどこか遠くに飛んで、ワクワクするような冒険を想像する。自分が王様の勇敢な騎士になって、素晴らしい任務を果たすのを想像する。バカげているかもしれないけど、退屈から逃れる助けになる。先生はいつも僕の注意散漫を叱り、退屈な現実に引き戻す。ドラゴンや冒険はここではあまり重要ではないらしい。
一日が終わると、小さなベッドに戻り、毛布にくるまる。目を閉じて、夢の中で遠い世界へ逃れようとする。家族や暖かい家を夢見る。でも、いつも同じ冷たく暗い部屋で目覚める。
胃に重い塊を感じながら。時々、もう走れなくなるまで走り出したくなる。
孤児院での日々は同じような単調さで過ぎていく。しかし、影と寒さの中で、いつも光を照らしてくれる存在があった。彼女の名前はエマ、22歳の若い修道女だ。髪は肩までの柔らかな茶色のウェーブ。瞳は魅力的な明るいコーヒー色。肌は青白く、わずかに温かみのある色合いが繊細さを引き立てている。
エマは細身の体型で、いつも修道服を着ているが、しばしば髪を覆うベールを外している。灰色の服は彼女の体にフィットしている。衣服の制限にもかかわらず、彼女の存在は孤児院の暗闇の中でも独自の光を放っているように見える。
物心ついたときから、彼女はこの場所で唯一の希望の光だった。寝る前によく短い会話を交わす。彼女の笑顔はいつも正直で暖かく、僕を安心させる光だった。
彼女の目には本当の優しさが映っていて、僕たちが見せる仮面の奥まで見通しているかのようだ。他の世話人とは違い、彼女は子供たちを単なる責任として扱わない。いつも僕たちを気遣い、調子を尋ね、十分な食べ物があるか確認してくれる。
ある日の午後、孤児院で特に厳しい日を過ごした後、空腹を抱えて食堂に向かう。夕食は一日の終わりに唯一楽しみにしていることだ。温かいシチューの香りが空気を満たし、期待感が腹の空腹と混ざり合う。しかし、食堂に着くと、夕食を台無しにするような光景が目に飛び込んできた。
年上の少年たちが食事のトレイが置かれたテーブルを囲んでいる。その中の一人、他の子よりもかなり太ったオリバーがいる。彼は意地悪で知られている。どうやら彼らは自分の取り分以上の夕食を欲しているようだ。周りを見ると、他の子供たちは恐れと心配で見守っているが、誰も介入しようとしない。僕はただ彼らの存在を無視して食事の列に並ぶ。
「ケチるなよ、レアン」と、オリバーは嘲笑的な笑みを浮かべて近づいてくる。
怒りが内側で燃えるのを感じる。これが初めての嫌がらせや物を取られそうになったわけではない。ここでの喧嘩は日常茶飯事だ。拳が無意識に握られ、顎が緊張する。「他のみんなのために残せだって?もう全部食べちゃったみたいじゃないか。放っておいてくれ、オリバー。自分の分だけ食べろ。」
オリバーは笑い声を上げ、僕の返答に不快感を示す。「嫌ならどうするつもりだ?」
本当はオリバーが何をしようと、夕食を邪魔しなければ気にしない。彼の挑発を無視して食事を取るが、その瞬間、彼が僕を突き飛ばし、食べ物が床に落ちてしまう。
言葉を交わす時間はない。怒りと欲求不満が積もり、考える間もなく、オリバーの顔を殴った。他の少年たちは僕の反応に驚き、一瞬後退する。しかし驚きはすぐに怒りに変わり、乱闘が始まる。
拳が四方八方に飛び交う。殴打の音や痛みのうめき声が空気を満たす。一人ではない。数人の子供たちが喧嘩に加わり、夕食を守るために戦っている。戦いは激しく、殴られて痛むが止まらない。
最終的に、世話人や修道女たちが食堂に駆けつけ、叫びながら皆を引き離す。光景は混乱そのもので、何人かの子供たちは泣き、顔に血が滲み、あざがすでにでき始めている。世話人たちは僕たちの行動を激しく叱責し、喧嘩の理由を完全に無視する。孤児院の不公正さが原因であることを理解しようともしない。
修道女たちとフェルタロ神父は失望と厳しさを込めて見つめ、アグニス修道女が爆発する。「これは許されない!どうしてこんな振る舞いができるの?」
欲求不満が体を震わせる。「あなたたちはここでの生活がどんなものか知らない!僕たちが毎日何を耐えているか分かっていない!」思わず声が大きくなるが気にしない。
「それでもあなたの行動は正当化されない!」と別の修道女が顔を赤らめて叫ぶ。
「なんて素晴らしい言葉だ。でも言うのは簡単で、実行するのは難しいんじゃないの?」皮肉を込めて答える。「ここでの生活がどんなものか理解していない。寒さと空腹で眠ること。十分でない食事と絶え間ない喧嘩。ここでのすべてが嫌いだ」言葉は衝動的で、長い間抑えていた感情がついに表に出る。
食堂の奥で、エマが悲しみと心配の表情を浮かべているのが見える。
アグニス修道女は眉をひそめ、驚きと困惑が混ざった表情をしている。「レアンドルス、辛い状況なのは理解しているけれど、だからといってこんな行動が許されるわけではない。私たちが行っている仕事も大変なのよ。夜にはあなたたちの皿に十分な食べ物を置けるか分からず、ストレスで食事を抜くこともあるの。」
その言葉に一瞬沈黙するが、心臓はまだ高鳴り、感情は煮えたぎっている。思っていることを言わずにはいられない。「分かっています。でもあなたたちは、食べ物を奪われたり、いじめられたりする時にいない。誰かが間違いを犯すと、その理由や背景を問わず、結果は殴打や鞭打ちです。それが普通なんですか?もううんざりだ!時々ここにいないほうがましだと思う。」
アグニス修道女はほとんど見えない動きで、僕を平手打ちする。
部屋は静まり返り、この騒動を始めたオリバーは完全に黙り、鼻血を止めるために紙の玉を鼻に押し当てている。アグニス修道女は話そうとするが、言葉が出てこない。
別の修道女が顔を真っ赤にして叫ぶ。「誰もあなたを止めないわ。ここを出たい人はいつでもドアは開いているのだから。」
心臓が早鐘のように打ち、怒りが血管を駆け巡る。彼女たちから離れて食堂を出て、孤児院の凍てつく中庭で一息つく。この騒動で罰を免れたと思うが、それでも苛立ちは収まらない。
雪が外の景色を白く染めている。一人で中庭の隅に座り、手で頬を押さえる。平手打ちの痛みはないが、結果に驚いている。自分の思考の世界に包まれている。寒さが骨まで染み込み、震えが止まらないが、中にいるよりましだ。暖かい手が肩に触れ、飛び上がる。エマだ。
「大丈夫、レアン?」と優しい笑顔で隣に腰掛ける。
恥ずかしさから視線をそらしながらうなずく。「うん」とつぶやく。大人とあまり話さないけれど、エマは別だ。彼女とは話しやすい。
彼女はそっと笑い、手に持っていた温かいお茶のカップを差し出してくれる。感謝の気持ちで受け取り、かじかんだ手で暖かさを感じる。「冬は厳しいけれど、このお茶の温もりで少しは慰められるね」と彼女は言う。
再びうなずく。今度は小さな笑みを浮かべて。エマはすべてを少しだけ耐えやすくしてくれる。「どうしていつも笑っていられるの?」と、ずっと気になっていた質問を思わず口にする。
エマは首をかしげ、人差し指をあごに当てて考え込む。「いつも幸せなわけじゃないの。誰もが困難や悲しみを抱えている。でも、笑顔を持つことで誰かの一日を明るくできると思うの。たとえそれが一瞬でも。」
彼女の言葉に考えさせられる。笑顔か。気持ちいいけれど、簡単ではない。僕を本当に笑顔にしてくれるものは少ない。でも、衝動的に感じていることを打ち明ける。「時々、これが不公平だと感じる。ここにいるべきじゃないって。なんでこの馬鹿げた孤児院にいるんだろう。」
エマは一瞬黙り、少し驚いた表情を浮かべる。「この人生では、公正さがいつも行き渡るわけじゃない。捨てられたと感じるに値する人はいない。でも、どこにいても、どこから来ても、本当に大切なのはより良いものを築くために努力することよ。」
敏感な点に触れたことに気づき、不意に心を開いたことを後悔する。ベンチから立ち上がり、会話の気まずさから逃げ出したいと感じる。しかし、立ち去る前に、エマがそっと腕をつかむ。
「不快にさせたならごめんなさい、レアン。そんなつもりじゃなかった。ただ、あなたのことを気にかけている人がここにいることを知ってほしいの」と、真摯な声で言う。
逃げるべきではないと気づく。ただ頭を下げて、小さな声で「ありがとう、エマ」と言う。
彼女は微笑み、穏やかで安心させるような笑顔を見せる。「もし話したいことがあったり、ただ寄り添いたいときは、私はここにいるからね、レアン。」暖かく真心のこもった口調で言う。慎重な動きで右手の手袋を外し、冷たい白い雪に手を差し入れる。ほとんど魅了されたように彼女を見つめる。
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