映画が思い出せないのです。
先程見ていただいた文章は、私の机に置いてあった1枚の印刷物です。
私の家にはコピー機が置いてあります。おそらく、そこから印刷されたものです。だからなんだと言われればそれまでなのですが……。
さて、私がこれを、このような形で世に発信しているのには理由があります。
私はあんなものを書いた覚えが全くないのです。
確かに、私はあのようなオカルト系ブログを執筆しています。世界中の色々なオカルト情報の探索を行い、それをブログとして綴っています。
ですが、『見たら全てを忘れる映画』についての捜査は一度も行った記憶が無いのです。
もちろん、その都市伝説の存在は知っていました。だから、なぜ私は映画の探索をしなかったのか、全く分からないのです。
あそこまで盛り上がった都市伝説、私なら真っ先に首を突っ込んでいたでしょう。
なのに、何も記憶が無い。これは恐らく『映画の記憶を消す上で不都合な記憶もついでに消した』という認識で良いのでしょう。
ならば、なぜ私はあれを印刷して、そして文字を塗りつぶすといった行動を行ったのでしょうか?また、最後の文章である、『忘れてください』。あれだけ、直筆だったのです。
あれは、私が書いたものなのでしょうか?
そもそも、なぜあのリプライは消されたのでしょうか?普通、承認欲求のためにも残しておくものではないでしょうか?
あの映画はホンモノです。
見た人の記憶を消すだけでなく、映画の情報を広めないために全力を尽くします。
私からのお願いはひとつです。
絶対に、『見たら忘れる映画』に関わらないでください。できれば、この映画の存在も忘れてください。
お願いします。
幸い私の場合、あまり大事にはなりませんでした。しかし、これで大切な人のことや自分の大好きだったものの記憶を失うことになったら?
お願いします、関わらないでください。
忘れてください。
お願いします。
忘れて!ください。
こんな拙い文章を読んでいただきありがとうございました。忘れてください。お願いします。
映画が思い出せないのです。 ツチノコのお口 @tsutinokodayo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。映画が思い出せないのです。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます