第46話 博多にて!
「私、アラフォーだよ。どう? 会う気が無くなった?」
「惚れてしまった後でそんなことを言われても、僕の気持ちは変わらへんで」
「本当に? 9歳も違うんだよ。嫌になるでしょう? 普通は」
「好きじゃない30歳を抱くより、好きな39歳を抱く方がいい」
「そうなの? 良かった。実はずっと気になってたの。年齢を言ったら、崔君が離れていくような気がして。言い出しにくかったけど、崔君、いつになっても聞かないから。なんで聞かないのよ」
「だって、もう惚れてしまったんやから、年齢を聞く必要が無いやんか」
「崔君がそういう人で良かった。そういえば、10歳年上のバツイチ子持ちと付き合ったこともあるって言ってたもんね」
「そうそう、ほな、予定通りに。土曜日はよろしく」
「崔君」
「何?」
「土曜日まで、明日も明後日も電話していいかな?」
「勿論。毎日、イチャイチャラブラブ電話しようや」
「良かった、じゃあ、また明日ね!」
待ちに待った土曜日、前夜は、はしゃいでしまってあまり眠れなかった。その分、早く起きて、予定よりも早く博多に着いてしまった。と思いつつ電話したら、貴理子が僕に合わせて早く来てくれた。とりあえず、早めのランチ。店はまだ混んでいない。1週間ぶりの再会! でも、この1週間は長く感じた。早く貴理子に会いたかった。ようやく会えた。これで、トークが盛り上がらないわけがない! 貴理子は酒が好きだと言うが、運転があるので飲めない。でも、酒が無くても盛り上がった。意外にも、貴理子もこの日を楽しみにしてくれていたらしい。貴理子は細身。身長は155センチ。胸はBかCらしい。茶髪のパーマが特徴だ。改めて見ると、やっぱり僕の好みだ。私服のセンスもいい。
「じゃあ、店を出ようか?」
貴理子に言われてついていく。
「車は?」
「コインパーキング。ホテルには歩いて行けるから」
本当に、ホテルは近かった。うん、確かにちょっといいホテル。お手頃そうだ。
「チェックインの手続きをするわ」
僕は鍵を受け取った。いよいよだ。
部屋に入ると、僕はスグに貴理子を後ろから抱き締めた。貴理子への想いが込み上げて、膨れ上がって、愛しかった。貴理子は振り返って僕に抱き付いてくる。僕達は唇を重ねた。それから、自然な流れでベッドの上に移動した。
結論から言うと、僕と貴理子の相性は抜群だった。燃えた。僕は張り切って、いつも以上に頑張った。
長い時間をかけて愛し合った。しかも、2回連続で愛し合った。僕が貴理子の身体から離れ、貴理子に腕枕をした時、互いに荒い息をしていた。良かった。貴理子も満足してくれたようだ。貴理子は僕にしがみつく。
「崔君、素敵だったよ」
「良かった、満足してくれたみたいで」
「期待以上だった。崔君は、私と付き合ってくれるの?」
「貴理子さんは、僕と付き合ってくれるの?」
「うん、崔君なら。本気で付き合いたいと思う」
「勿論、僕も貴理子さんと付き合いたい。本気で付き合いたい」
「崔君、付き合ってからは?」
「ん? というと?」
「ゆくゆくは私と結婚、なんてことも考えられる?」
「うん、貴理子さんの離婚が成立したら、結婚も考える」
「離婚したばかりなのに、懲りないのね」
「だって、この前の離婚と今回では、決定的に違う所があるから」
「決定的な違いって?」
「前の結婚では、僕は沙耶に惚れていないのに結婚してしまった。でも、今回は違う。僕は貴理子さんに惚れてる。そこが決定的に違うねん」
「そうかぁ、そうなのね」
「うん、やっぱり僕は貴理子さんに惚れてる。抱いてみて、ますます惚れた」
「私、抱き心地良かった?」
「最高!」
「良かった。39歳の身体はどうだった?」
「貴理子さんの身体、スゴくキレイやで」
「良かった。不安だったの」
「僕、久しぶりに燃えたで。2回連続で抱いてしまった。嫌じゃなかった?」
「好きな男性に可愛がってもらえて、嫌なわけないでしょう?」
「そうか、良かった。夕食はどうする?」
「崔君、お腹空いてる?」
「いや、実はあんまりお腹は空いてない」
「私、夕食は家に帰ってからにする。帰る時間になるまで、こうやって崔君とイチャイチャしていたい。それに……」
「それに?」
「帰るまでに、もう1回抱いてほしい。無理かな?」
「ううん、喜んで」
「私、こんなにイチャイチャするの、スゴく久しぶりなの」
「そうなんや、女盛りで、こんなにキレイなのに勿体ない」
「ねえ、私、何番目?」
「何が?」
「崔君の歴代の彼女と比べて、私は何番目くらい?」
「貴理子さんが1番に決まってるやんか」
「嘘、お世辞は要らないのよ」
「本当に、1番良い!」
「本当に? 私が崔君の1番なの?」
「うん、貴理子さんが、今までの女性の中で1番好き。貴理子さんが1番良い」
「それなら、私達、うまくやっていけるかなぁ」
「きっとうまくいくよ」
「うん、そうだね」
「私、離婚したらどうしよう?」
「思い切って大阪に来ない? まずは同棲から始めるとか、どう?」
「大阪かぁ、とても楽しそうね」
「うん、きっと気に入ると思うで。大阪での暮らし」
「でも、私、実家から出たこと無いのよね。ちょっと不安」
「ちなみに、僕は婿養子でもOKやで!」
「考えてみる。大阪で崔君と暮らすことをイメージしてみる」
「うん、そうしてくれると嬉しい」
「じゃあ、そろそろ」
「うん、何?」
「もう1回、抱いて!」
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