『キュュイィーン』

リリーの義手が一層青く光った！私が熊の耳に向かって衝撃と音を、リリーがエネルギー弾を放つと、熊はようやく苦しげな唸り声を上げた。

「あと少し……！」私はギアを再び操作し、光と衝撃を放つ準備を整える。仲間たちの力が一つになって熊を追い詰めていく。

『GAAAA！』

もう小動物翻訳機は切ったが、苦しそうな声に辛くなってくる。

私は青いバラのエーテルバッテリーからさらにエネルギーを引き出し、狙いを定めたが、やめた。

熊の削れた肉は、どす黒いエーテルを撒き散らして消えていく。狂乱の叫び声を上げて前衛へ激しい振り下ろしがなされていた最中だった。

私は丹田を意識し、リリーに呼びかけた。「リリー、私のギアでは役不足です。あなたのギアなら、私のエーテルを上乗せして攻撃出来ますよね？」

リリーは驚いたように目を見開いたが、すぐに理解したのだろう。頷き、私に手を差し出した。私は自分のエーテルとギアのバッテリーから彼女の青いエーテルギアに注ぎ込む。

『キン！』

私のギアの明かりが消え、辺りが一瞬、暗くなり、代わりにリリーの義手が青白く輝き、まるで胡蝶蘭の花が開いたかのように美しい光が放たれる。

「いきます！」

リリーはエーテルの力を集中し、強化されたエネルギー弾を熊に向けて放った。

その一撃に熊は大きく怯んだ。

今が好機だとリーダーが叫ぶ。

「これで決めるぞ！全員で一気に叩き込め！」

ギルドメンバー全員が熊に向かって突進し、連携して攻撃を仕掛ける。

私もギアを再び操作し、明かりを灯し、音で妨害した。リリーのエネルギー弾も次々と放たれ、熊の体は攻撃に晒され続ける。

やがて、熊は力尽き、巨体が重く地面に崩れ落ちた。辺りには静寂が戻り、私たちは戦いの終わりを確信した。

リーダーが安堵の表情で私に向かって微笑む。「お疲れ様、みんな。無事に終わってよかった。」

私は緊張の糸が切れ、軽く息を吐きながら壁にへたり込んでしまった。リリーに視線を向ければ、彼女も私を見て微笑み返してくれた。

「瑞樹さん、ありがとうございます。あなたのおかげで勝てました。」

「いや、リリーやみなさんのおかげだよ。」見れば、熊の魔物はもう、半分くらい世界に還っていた。黒いエーテルがミントの淡い緑に溶けていく。深呼吸すれば、清々しい香りが胸を満たした。

「動けますか？」「はい、大丈夫です」私たちは疲労を感じながらも鉱山の入り口へ戻り、待機していたリョウが駆け寄ってくる。

「無事で何よりです、皆さん！」「ありがとう、リョウさん。君のサポートもあってこそだよ。」リーダーがそう言って、彼を抱きしめていた。

私もリリーと笑って抱きしめあった。ああ、よかった。

「もう、夕方だね」「そうですね。智大大蔵の街にいいレストランがあるんです」ちょっと、みんなで軽口を叩きながら、私たちは無事に智大大蔵の街へ戻ることができた。

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