なんで俺の青春ヒロインたちの思想だけこんなに強いの

戸惑郎

第0.5話 俺がこの馬鹿げた学園に入る理由

「俺の転校先が元女子校で、しかもまだ生徒のほとんどが女子?まじで?」

もうそろそろ春も終わりといった季節。両親の仕事の都合でこの街に引っ越してきた俺、榎浪柊介えなみしゅうすけは昨年に女子校から共学となった私立紫星百合むらさきほしゆり学園への編入が決まった。

親父の話を聞くには、ある日会社に向かう途中でたまたま道端に倒れていた男を発見し、我が家に代々伝わる熱き人助けの精神で助けたところ、それが実は本学園の理事長だったそうな。

その後になんやかんやあって仲良くなり、編入先に困っていることを話すと「助けてくれたお礼に学費はこっちで負担するから是非ともうちへ来てくれ!」と興奮気味に言われたらしい。

正直男が少ないのはちょっと心細い気がしないでもないが、こんなハーレム作り放題パラダイスなチャンスなど俺にはきっと二度と来ないだろう。諸君には悪いが、俺はこのチャンスを美味しく頂くことにする。

「はぁー、ほんとにしょうがないな。やれやれ、まったく。しょうがなさすぎるからそこに転入してやるよ、はぁ、まったく、やれやれ。」

「柊介、わかったからヨダレを拭け」

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