10,風俗店通いをやめる

 さて、9章のトリガーに関連して、ポルノ依存症の克服のために風俗店通いをやめることも、対策として挙げられます。しかし一部の読者も考えられている通りであるように、風俗店自体は、ポルノではないと筆者も考えます。実際に風俗店は、お金を払って現実の女性から性的サービスを受けるため、自慰するのが目的のポルノとは真逆のものであると言えるでしょう。性感染症のリスクや反社会的勢力とのつながりなど、様々な問題はありますが、ポルノ依存症克服の観点からすれば、風俗店の利用自体は、特に問題が無いと思います。

 しかし、それは風俗店の利用のみを考えた場合です。実際には、風俗店を利用した後に、その余韻からポルノを視聴してしまうことがあります。即ち、風俗店の利用自体が、ポルノ視聴のトリガーとなっている場合があるのです。こうなってしまうと、扁桃体をくすぐらないためにも、風俗店の利用は控えた方が良い、ということになります。

 また、現代のインターネット社会では、風俗店に行く前には殆どの人間が、事前にインターネットを通じて風俗店のリサーチを行うことでしょう。この事前リサーチこそが問題で、一度、そういった風俗店のサイトにアクセスしてみれば容易に理解されることでしょうが、極めて扇情的で、殆どポルノサイト同様のページ設計がなされています。場合によっては、体験動画などという最早ただのAVを掲載しているサイトもある。つまり、風俗店に行って現実の女性と触れ合い、ポルノではないリアルな女性の感覚に慣れようと意気込むのは良いものの、その手前で既にポルノの毒牙に掛かっている訳です。実際に、風俗店のインターネットサイトに感作された状態で、風俗店のサービスを受けても、余り良い結果は得られません。筆者も、これに関しては複数回の経験があります。

 以上のことから、筆者は風俗店の利用は、ポルノ依存症克服のためには止めた方が良いと考えます。しかし、どうしても利用したい場合は、ソープランドといった店舗型の風俗店で、何もインターネットサイトを見ずに利用するのが良いでしょう。ただし、トリガーをしっかりと認識することや、風俗のサイトは絶対に見ないで行くということには、可能な限り注意を払ってください。

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